ファッション

「ブランドの意識を変え、サステナを業界に広めるには?」 OEM社長とコンサル対談

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 「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」というジャストインタイムを骨子とするトヨタ生産方式(立ちミシン方式・トヨタソーイングシステム。以下、TSS)を導入して以降、進化し続ける東京・両国のOEM企業、精巧の近江誠社長が、「WWDJAPAN」で「ファッション業界のミカタ」を連載する在庫最適化コンサルタントの齊藤孝浩ディマンドワークス代表と、他の業界でのコンサル経験からアパレルの大量生産・大量廃棄に警鐘を鳴らす岸良裕司ゴールドラット・ジャパン最高経営責任者(CEO)と対談。業界が大量生産・大量廃棄という現状から脱却するための戦略を練った。(この記事はWWDジャパン2021年6月28日号からの抜粋です)

岸良裕司ゴールドラット・ジャパンCEO(以下、岸良):TSS導入に始まった精巧のモノづくり改革は、「デザインが良ければ、買ってくれる」という感覚から脱却できないアパレル業界にとって、希望の星ですね。アパレルと違って、自動車は何万もの部品を使っているのに、ジャストインタイムのサプライチェーン網を確立しています。

齊藤孝浩ディマンドワークス代表(以下、齊藤):日本のアパレル業界のサプライチェーンは、歴史的に分業、特に“丸投げの分業”になってしまっています。

岸良:一方で建設業やメーカーでは、近江社長のような2代目が改革を続けています。他の業界、他の企業で学んだ考えを取り入れているんです。

近江誠・精巧社長(以下、近江):社長に就任したのは、1990年。当時の売上高は34億円でしたが、借入金が27億円もありました。そこで、「少ない受注でも利益が出せる体質にしよう」との思いでTSSを導入して、5年ほど前、無借金経営になりました。

岸良:次はサステナブルな発想を業界に広げたいですね。

近江:おっしゃる通りです。3D CADを含むDXしたサプライチェーンをアパレルに提案すべきなのか?小売りなのか?それとも、D2Cブランドなのか?と考えています。

岸良:一番難しい土台を作ったワケですから、あとはみんなで「もうける」だけです。

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