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ユニクロが東京に自社工場 製造業進出で「すぐに作って売る」

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 大量に作って売り減らす旧来型のアパレルの商売から、客の声をもとに売れる商品だけをファストに作る仕組みへ––––。「ユニクロ(UNIQLO)」のファーストリテイリングはここ数年、「情報製造小売業」という言葉のもと、そうしたビジネスモデルの実現を目指している。その一環として、この4月には有明本部(東京・有明)内に巨大撮影スタジオやカスタマーセンターを新設。商品企画から販売までの一連の流れのうち、多くの工程を集約・ワンストップ化し、「全てがここで始まり完結する」仕組みを整えた。

 ただし、生産だけは例外だ。中国や東南アジアの取引先工場で行っている生産は、高品質低価格なベーシックという「ユニクロ」の土台を支えており、有明に持ってくることはできないだろう––––。そこが、「ザラ(ZARA)」を擁し、本社近隣の工場でトレンド品を店頭投入に引き付けて生産しているインディテックスとの違いだ––––。そんな外野の見方を覆して、ファストリはこの4月、有明本部からほど近い東雲(しののめ)でニット工場を稼働させている。

 さすがに東雲工場で量産はできないが、1.海外での量産に移る前に生産工程に無駄や不具合がないかを検証し、そのノウハウを海外工場に横展開する、2.東雲で少量生産した商品を近隣店舗でテスト販売し、反応がよければ海外工場で大規模生産に入る、3.日本国内で売れ行きがよくて不足しそうな商品のQR(クイックレスポンス、追加生産)、といった役割を担う。

 同工場は、「ユニクロ」の看板商品の一つに育った“3Dニット”の専門工場で、島精機製作所(和歌山)との合弁企業、イノベーションファクトリーとして2016年に和歌山でスタートした。東雲移転に合わせて出資比率を従来とは逆転させ、ファストリ51%、島精機49%に変更。ファストリが生産工場の株の過半を持ち、子会社とするのはこれが初めてという。「われわれが本当の意味で生産ノウハウを持ち、社内に蓄積する」。それが工場の子会社化と、有明本部近隣への移転の狙いだと話すのは、イノベーションファクトリー社長を務めるファストリの宇津野智哉氏。6月下旬のある日、東雲工場を訪ねた。

「移転してからは、週1回は工場に行く」

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