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「ファイントゥデイ資生堂」始動 資生堂の日用品事業を引き継ぎグローバル化加速

 資生堂のパーソナルケア事業(日用品事業)を引き継いだ新会社、ファイントゥデイ資生堂が7月1日から始動する。舵取りを任された小森哲郎ファイントゥデイ資生堂社長兼CEOや魚谷雅彦資生堂社長兼CEOらが6月30日に会見し、「日本発のアジアにおけるグローカル企業のロールモデルへの発展」(小森社長)に向けた取り組みを述べた。

 ファイントゥデイ資生堂は、資生堂や投資ファンドのCVCキャピタルパートナーズが出資。ヘアケアブランド「ツバキ(TSUBAKI)」やスキンケアブランド「専科(SENKA)」などのヘアケアやスキンケアなどのパーソナルケア製品のマーケティング・販売を行う。事業を舵取りする小森社長は「1000億円の事業規模を持つ資生堂のパーソナルケア事業は、中国はじめアジア諸国に進出も果たしている。成長ポテンシャルを感じる」と日用品事業への期待を語った。

 しかし、資生堂は高級化粧品を強化する中で、日用品事業への投資が十分にできない環境にあった。また、日本中心の組織構造だったが海外売り上げ比率が50%と急伸し、組織再編が急務だった。そこで「1、ブランドのポートフォリオを明確化し、成長ブランドに投資を行う 2、高回転型のオペレーション作りで、高収益体質にする 3、アジア市場に向けたきめ細かいニーズ対応やオペレーションを構築。eコマースやDXも推進 4、製品という横軸と市場(各国)という縦軸のマトリックスを可視化して、課題解決のガバナンスを進める」(小森社長)ことで成長基盤を固めることを明言した。

 主軸となるブランドは「専科」と「ツバキ」で、両ブランドともすでに100億円規模の売り上げを達成する。期待ブランドに掲げるメンズスキンケア「ウーノ(UNO)」「フィーノ(FINO)」、中国市場で支持が高い「クユラ(KUYURA)」にも積極投資を進め、100億円規模のブランド作りを推進する。

 「フェーズ1は、日本発のブランドであり、資生堂のきめ細やかなモノ作りの強みを生かし、アジアでの存在価値をさらに高めること。フェーズ2は日本でのモノ作りの仕方を海外でも同様に進める。資生堂で培った美的感覚を踏襲しながらも効率よく進めていく」(小森社長)。2026年には1500億円の事業規模まで拡大し、従業員数も今後約1.4倍の1000人を目指す。

 資生堂の魚谷社長は「パーソナルケア事業は60年以上の歴史を持つ。今回、分離独立することでパーソナルケア専業の会社として大きく発展していく。これまで同事業に携わったスタッフがこれからの展開やビジョンに夢を持って取り組んでほしい」とエールを送った。

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