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「カルバン・クライン」の親会社、「ヴァン ヒューゼン」など4ブランドを売却

 「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」や「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」などを擁するPVHコープ(PVH CORP以下、PVH)は、「ヴァン ヒューゼン(VAN HEUSEN)」などヘリテージブランドの知的財産権やその他の資産を、ブランドマネジメント会社オーセンティック・ブランズ・グループ(​AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)に2億2000万ドル(約242億円)で売却した。

 PVHの売上高の約90%は「カルバン・クライン」と「トミー ヒルフィガー」によるものであり、これらの主軸ブランドに注力するため、ヘリテージブランドを手放す。売却対象には「ヴァン ヒューゼン」「アイゾッド(IZOD)」「ジェフリー ビーン(GEOFFREY BEENE)」「アロー(ARROW)」の商標などが含まれており、PVHのヘリテージブランド事業はこれをもって終了する。取引は21年8~10月に成立する予定。

 PVHコープという社名は、同社の前身であるフィリップス・ジョーンズ・コーポレーション(PHILLIPS JONES CORPORATION)が「ヴァン ヒューゼン」を買収し、1957年にフィリップス・ヴァン・ヒューゼン(PHILLIPS VAN HEUSEN)と改称したことに由来している。2011年にその頭文字を取ってPVHコープとなっているが、今回の取引後も、「ヴァン ヒューゼン」やヘリテージブランドへの敬意を込めて社名を維持するという。

 ステファン・ラーソン(Stefan Larsson)PVH最高経営責任者(CEO)は、「今回の売却は非常に難しい決断だった。ヘリテージブランドが事業を支えてくれたからこそ、後に『カルバン・クライン』と『トミー ヒルフィガー』を買収し、今日のPVHとなることができた。過去から現在に至るまで、ヘリテージブランドに携わった全てのチームメンバーに心から感謝する」と語った。

 ジェイミー・ソルター(Jamie Salter)ABG会長兼CEOは、「豊かな歴史を持つヘリテージブランドを迎えることができ、大変うれしく思っている。当社のグローバルなネットワークやブランド開発の経験を生かし、PVHが育ててきたこれらのブランドのライセンス事業をさらに発展させていきたい」と述べた。

 ABGはこの10年間で30以上のブランドを買収しており、20年は「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」、米「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」を傘下に収めている。21年5月には、米アパレル運営会社スパーク・グループ(SPARC GROUP)とともに「エディー・バウアー(EDDIE BAUER)」を買収することを発表したばかり。

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