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売れ残り品を廃棄できなくなるフランス エディターズレター(2021年7月8日配信分)

※この記事は2021年07月08日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

売れ残り品を廃棄できなくなるフランス

 昨年2月、フランス政府の“売れ残り品廃棄禁止”法案が成立しました。これ、ファッション業界の“生産過多”問題に深く切り込む法律ですが、個人的に気になったのは、セールをしないラグジュアリーブランドはどうするんだろう?ということ。それほど大量ではないかもしれません。でも、シーズン性の強い高額なアパレルをどこかに寄付したり、リサイクルするというのは、ちょっと非現実的。どうするんだろう?と思っていました。

 その回答の1つかな、というのがこちらの記事。

> LVMHが余った生地をリサイクルするスタートアップとタッグ

 こちら、記事には言及がありませんが、公式サイトによると、製品化されたものもリサイクルするそうです。まさに!なソリューションですね。高品質なテキスタイルを確保して、使いやすくトレーサブルな糸にして販売するそうで、「クライアントの機密保持を尊重」も謳っています。

 古着を回収してリサイクルする動きはいろいろ出てきていますが、ラグジュアリーな素材に特化して、高品質な再生糸を作って販売するスタートアップということですね。そのうちその再生糸がコレクションに使われたりするのでしょうか。

 作り過ぎは問題ですが、廃棄を恐れて新しいものが作れないとなるとファッションにとっては大きな損失です。

 法律の執行は来年1月1日の予定です。今年後半は“企業が廃棄しないためのイノベーション”のニュースが充実しそうで楽しみです。

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