「ルイ ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は7月5日、パリでフレグランスの新作発表会を行った。今回は“感情と自然の融合”をテーマに、5種類のウィメンズフレグランス“レ・エクストレ コレクション”を制作。「ルイ ヴィトン」インハウス・マスター・パフューマーのジャック・キャヴァリエ・ベルトリュード(Jacques Cavallier Belletrud)は発表会で、「コロナ禍は過去を振り返る貴重な機会となった。幼少期や旅先の記憶を辿り、淡い思い出とそこに付随する感情を香りで呼び起こすことに関心を寄せた」と語った。さらに、今回のボトルは建築界の巨匠フランク・ゲーリー(Frank Gehry)が手掛けた、彫刻作品のような特別仕様となっている。キャヴァリエはゲーリーとの対話と彼がデザインしたルイ・ヴィトン財団の建物からインスピレーションを得たと回想した。「流動的なルイ・ヴィトン財団のガラスは、太陽光が反射して刹那的な輝きを放つことをゲーリーが教えてくれた。私がこのガラスを眺めている時、周辺の花や木々が風に揺られて優しく香り、この瞬間をボトルに詰め込みたいと思った。”風"こそが最高のフレグランスであり、自然の香りが風と共に華やぐ一瞬と、個々の感情を呼び起こすフレグランスが完成した」と説明するキャヴァリエ。
今回発表された、10月に発売予定のウィメンズフレグランスは5種(各税込7万7000円予定)。“ダンシング・ブロッサム(Dancing Blossom)”はローズを中心に中国産のジャスミンやスイセンなどの香りを織り交ぜ、満開の花々が風に揺られてダンスしているイメージからその名が付けられた。“コスミック・クラウド(Cosmic Cloud)”は、爽やかな南アフリカ産のムスクに、カシスやウッドで自然な甘みをほのかに加え、美しい庭園に漂う柔らかい香りを凝縮させた。キャヴァリエが「最もエレガントな香り」と表現する“ラプソディ(Rhapsody)”は、ジャスミン、ベルガモット、ローズ、マテといったフルーティな香りが美しいハーモニーを奏でるイメージで調合したという。“シンフォニー(Symphony)”はフルーツを切った瞬間のフレッシュな香りをボトルに詰め込むため、ジンジャー、グレープフルーツ、ベルガモットで構成されている。発表会の参加者に最も好評だったのが“ステラー・タイムズ(Stellar Times)”。オレンジやベルガモットの官能的な香りに、マテを加えることで奥深さを一層させた。
新作フレグランスとともに、ゲーリーが同ブランドのクラシックなトランクを再解釈したボックスも発売となる。「誰もが過去に香った経験のある香りは、各々の記憶と感情を結びつけ、この瞬間に蘇らせる。ラグジュアリーが意味するのは“強い感情”であり、ブランドのDNAの一部となる新たな香水が生まれた」とキャヴァリエは締めくくった。