オンワードホールディングスの2021年3〜5月期業績は、純損益が20億円の黒字だった。前年同期の24億円の赤字から回復した。一昨年から実施する構造改革によって不採算事業を整理したことが実を結んだ。
売上高は前年同期比5.3%増の460億円。国内は3度目の緊急事態宣言に伴う営業の制約によって、1カ月半以上の休業を余儀なくされた前年同期に比べても増収は小幅にとどまった。構造改革の一環で不採算店舗を畳んだことも影響した。ただ、リストラの成果は顕著で、粗利益率は3.5ポイント改善し、販管費率は3.3ポイント低下したため、営業利益は前年同期の18億円の赤字から当期は11億円の黒字に転換した。
海外事業で不採算が続いていたイタリア事業の構造改革にもメドをつけた。既報の通り伊事業会社のオンワードラグジュアリーグループ、ジルサンダー、フリーランドを売却し、それらの束ねる持株会社オンワードイタリアの解散を決めた。フリーランドの売却益29億円の特別利益を計上するとともに、ジルサンダーの関係会社株式売却損20億円とオンワードイタリアの関係会社整理損19億円をそれぞれ特別損失として計上した。
また国内でも名古屋と渋谷で所有していた不動産の売却益48億円を特別利益として計上している。