ピスタチオが人気の理由は?
先日、「サンデー毎日」の不思議な取材を受けました。「ピスタチオが人気ですが、ファッション業界でもピスタチオカラーは人気ですか?その理由は?」という取材です(笑)。「(オジさんが読んでそうな)『サンデー毎日』が⁉︎」とチョット笑ってしまいましたが、鋭い。ピスタチオカラー、人気ですよね。
理由の1つは「想像できる」とか「見たことある」からだと思います。ECで「ピスタチオグリーン」って書いてあったら、まぁまぁ「あ、あの色ね」って想像できますよね。若い子ならマカロンやコンビニスイーツ、オトナは豆そのもの(笑)。かなりの人数が、あの淡く、ちょっとグレイッシュなグリーンが、「おいしい」というポジティブな感情と共に思い出せるのではないでしょうか?
一方、同じ緑には「鸚緑(おうりょく)」という色があるそうです。「鸚」は「オウム」。オウムの羽の緑色らしいのですが、私は「あれ⁉︎オウムって赤じゃないの?」って思っちゃう。正直、「鸚緑色」は想像しがたく、ピスタチオ同様にキレイな色ですが、少なくともその名称が普及するイメージはありません。
下の記事の通り、香水ではミルクティーや抹茶の香りが売れています。ミルクティー色のリップ、抹茶色のアイシャドウも人気ですね。コレもまた、ポジティブな感情と共に想像しやすいのです。店頭で香り・色を確かめるのが難しい時代だからこそ、「飲んだことがある」「美味しかった」「ほっこりした」「だから知ってる」「ゆえに想像しやすい」ミルクティーや抹茶の香り、色の価値は増しているのではないか?そんなふうに思います。
となりますと、以前も申し上げた、憧れる魅力的な要素が詰まってはいるものの、「行ったことない場所」「見たことない映画」「玄人な写真集」などの着想源を押しまくるコミュニケーションは、改めた方が良いのかもしれません。たびたびファッションブランドから着想源として大大大プレゼンされるサントロペ、行ったことないもの(笑)。押されれば押されるほど、「スイマセン、行ったことないんです……」みたいな申し訳ない気持ちが芽生えるんですよね(苦笑)。
「白い砂浜と青い海」なのか「夕日の鮮やかなオレンジ」なのか「日焼け肌にも似合う真っ白なリネンのシャツ」なのか、もうちょっと想像しやすく、ポジティブが喚起される表現があればなぁ、なんて思うことは、まだまだ時々あるのです。
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