サザビーリーグが運営するジュエリーのD2Cブランド「アルティーダ ウード(ARTIDA OUD)」が合成ダイヤモンド(ラボグロウンダイヤモンド)を使用したジュエリーをローンチすると発表した。同ブランドのコンセプトは、“ありのままの姿が放つきらめき”。一つ一つ違う天然石の美しさを生かしたジュエリーを販売している。オンライン販売が中心なので、中間コストを可能な限り取り除き手に取りやすい価格で提供しており、着実にファンを増やしている。同ブランドが取り扱うのは色石がほとんどだが、ブライダルではダイヤモンドを使用したリングなどをカスタムメードで提供している。最近、合成ダイヤモンドを使用し始めるジュエリーブランドが増加しつつあるが、天然石にこだわる「アルティーダ ウード」がなぜ合成ダイヤモンドを採用するのか、同ブランドを率いる安部真理子サザビーリーグ営業統括ECブランド事業部ディレクター&デザイナーに話を聞いた。
WWD:合成ダイヤモンドを使用してみようと思ったきっかけは?
安部真理子サザビーリーグ営業統括ECブランド事業部ディレクター&デザイナー(以下、安部):1年半くらい前から考え始めた。というのも、合成ダイヤモンドの組成は天然ダイヤモンドと全く同じ。美しさも同じで価格は、天然の約3分1というので使ってみたいと思った。環境問題などに対する意識の高い若い顧客たちからの声もあり、天然と合成の選択肢を与えるのもありだと考えた。
WWD:「アルティーダ ウード」というと石の個性を生かしたジュエリーで合成のイメージはないが?
安部:確かにそうだが、天然ダイヤモンド=紛争といったイメージを持つ人も多く、ブライダルリングに関しても、そこにこだわるという意見もあるため、チャンスだと思った。特に若い消費者は天然であることに価値を感じず、環境に優しいものに対して価値を感じる人が多い。ブライダルでは求めやすい価格帯の5つのグレードのダイヤモンドを用意しており、価格は税込で11万〜24万円程度。合成ダイヤモンドを使用すれば、天然だと24万円のグレードのものが鑑定書付きで11万円程度で提供できる。だから、各消費者の予算やこだわりにより天然か合成か選べるようにできればと思う。
WWD:合成ダイヤモンドの調達は?
安部:日本の業者から調達する。日本でも合成ダイヤモンドを製造する会社が増えているようなので、もしかしたら、ゆくゆくは合成ダイヤモンドが一般的になってくるかもしれないと思う。色が付けられる点も利点で、希少性が高く一般の消費者には手の届かないカラーダイヤモンドも作ることができる。
WWD:合成ダイヤモンドを使用したラインはブライダルだけか?
安部:まずはブライダルからスタートし、合成ダイヤモンドとリサイクルメタルを使用したラインなどに拡大できればと思っている。
WWD:コロナ禍の業績は?
WWD:売れ筋商材は?
安部:コロナ前と変わらず、リングとピアスが好調。また、パールの売り上げも伸びている。エンゲージメントリングに関しては、3~4本購入し、重ね付けを楽しむ顧客もいる。また、インドに学校を建てるチャリティープログラムの「アイ アム ドネーション」プロジェクトのチョーカーの人気が高まっている。