REPORT
“ノー・ジェンダー”終焉の予感?フェミニニティをさらに強く
ショー会場周辺から、他ブランドとは違う異色のムードがあるのが、「フッド・バイ・エアー(HOOD BY AIR)」だ。ショーを開催するごとに注目を集め、ファンを増やしており、今回もスカートをはいた男子やレッドヘアに顔ピアスをたっぷりにつけたゴス女子などが、スタンディングエリアに列をなしていた。
今シーズンのショーで印象的だったのは、ウィメンズモデルが大半を占めていたこと。これまでは、ウィメンズ・コレクションでもメンズモデルを起用し、ヒールやスカートなどを着せ、“ノージェンダー”のスタイルを強調していた。しかし今回は、ショー前半にウィメンズ、後半にメンズをメーンに歩かせた。途中、白いクロップドシャツと前面にファスナーのスリットを加えたミニスカートをおそろいで着たウィメンズとメンズのモデルが並んで登場する場面もあったが、意識的にモデルを構成したようだ。アイテムは、得意のファスナーを使ったデコレーションや肌見せなどは継続。今シーズンは、サテンやシフォン、プリーツといったフェミニンな素材使いがカギになっている。また、ナイロンのシャツとプリーツスカートのコンビワンピースなどに用いたピンクも新鮮なカラーパレットだ。足元はスニーカーとサンダル。メンズモデルもはいたサンダルは、サイドに「AIR」の文字を立たせている。ラストには、黒いジャケットにネクタイ、ショートパンツ姿のメンズモデルと、ネクタイにメッシュのジャケットとスカートを合わせたウィメンズモデルが手を繋いで登場した。まるで、バージンロードを歩くカップルのようだった。