オランダ発の「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」は、実際に見られることを楽しみにしていたブランドの一つだったのですが、パリにはコレクションを持ってこないことになったそうで、残念ながら映像で見ることに。手仕事とテクノロジーを掛け合わせて作られる彼女の服には、いつも異世界の生物のような神秘的な美しさや生々しさが漂います。今季の映像は、そんな服にマッチする壮大な岩山を舞台に撮影。スローモーションを生かして、羽衣のような生地が風をはらむ様子や神々しい雰囲気が存分に表現されていました。そしてラストには、なんとスカイダイバーが登場!繊細なクチュールを着てスカイダイビングだなんて、前代未聞ですよね(笑)。このドレスは時速300kmでの降下という負荷に耐えられるように何度もテストを重ねて作られ、4回ダイビングを行って撮影されたそうです。
5日14:30 ディオール
過去2シーズンは、ファンタジー映画のような映像作品でオートクチュールを披露してきた「ディオール(DIOR)」ですが、6月中旬にギリシャ・アテネで開催した22年クルーズ・コレクションに続き、オートクチュールも観客入りのリアルショーを再開させました。会場は、かの有名な「考える人」が展示されているロダン美術館。中庭に建てられた特設テントを入ると、壁全面がシルク刺しゅうのアートで囲まれた空間「シルクの部屋(Chambre de Soie)」が広がります。こちらはアーティストのエヴァ・ジョスパン(Eva Jospin)が描いた森のドローイングをベースに、インドの刺しゅう工房と工芸学校の職人たちが数カ月をかけて手作業で作り上げたもの。なんと150もの異なるテクニックが使われているそうで、長さは40m、大きさは350平方メートルに及びます。その背景には、クラフツマンシップを称え、未来に継承していきたいというマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)=アーティスティック・ディレクターの強い思いがあり、その視覚や触覚を刺激する空間からコレクションへの期待も高まります。
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