中国の美容市場で新たに盛り上がっているのが香水カテゴリーだ。中国の調査会社アイリサーチ(艾瑞咨詢)が発表した「2020年中国香水研究白書1.0」によると、年成長率は昨年まで3年連続で20%台中盤〜後半を維持し、昨年の市場規模は125億7000万元(約2152億9600万円)と予測された。(この記事はWWDジャパン2021年7月12日号からの抜粋です)
中国最大のECモール、Tモール(TMALL、天猫)でも昨年は香水売り上げが急成長し、成長速度はコスメ商品全体と比べて2倍だった。その中で「エルメス(HERMES)」「ブルガリ(BVLGARI)」「ディオール(DIOR)」などのラグジュアリーブランドが相次いでフレグランスを出品。6月に行われた中国の2大商戦、618セール前には資生堂傘下の「イッセイ ミヤケ パルファム(ISSEY MIYAKE PARFUMS)」「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」が旗艦店を開設。「ディプティック(DIPTYQUE)」「ミラーハリス(MILLER HARRIS)」などのフレグランスブランドもTモールに進出した。
Tモールのコスメ部門責任者は「中国では香水の消費に関する啓蒙の第一段階が完了した。現在、1〜2線都市に住む中流階級やホワイトカラーから、3〜4線都市の住民や大きな購買力を持つ小さな町の若者まで、香水は多くの消費者の日常生活の一部になっている。中国のZ世代の人々は自分の美的感覚に合うニッチなフレグランスを求めている」と語る。
アイリサーチのデータによると、香水使用者の半数以上が毎日香水を使用すると回答しており、通勤・通学など日常的なシーンで使用している。また平均客単価は500〜800元(約8500〜1万3600円)で、アメリカの150〜250元(約2550〜4250円)と比較しても3倍以上の金額を費やしている。
若者が求めるのは“人と被らない”ニッチな香り
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