ワコールは15日、東京・青山のスパイラルホールでブランド戦略説明会を行った。伊東知康社長は、今後、CX戦略、組織改革、ブランド戦略の3つを元に消費者一人一人に寄り添う企業活動を目指すと発表。現在650万人いるロイヤルカスタマーの増加と新規顧客拡大を目指し、より効率的に消費者にアピールするブランド構成に変更する。
19年春夏シーズンに56あったブランドが21年秋冬には37になる。基幹ブランドは「ワコール(WACOAL)」「ウイング(WING)」「サルート(SALUTE)」「ワコールサイズオーダー(WACOAL SIZE ORDER、元、デューブルベ)」「アンフィ(AMPHI)」「ワコールメン(WACOAL MEN)」「CW-X(シー・ダブリュー・エックス)」「ワコール リマンマ(WACOAL REMAMMA)」、これからスタートする新ブランド「ユエ(YUE)」の9つに集約した。その9つの傘下に同社が「構成ブランド」と呼ぶ派生ブランドがぶら下がる形になる。
8月に立ち上げる新ブランド「ユエ」は、プレステージブランドと呼ばれる現在の「ワコール ディア(WACOAL DIA)」「トレフル(TREFUL)」「スタディオファイブ(STUDIO FIVE)」の市場を引き継ぐ。伊東社長は「消費者と深く、広く、長くつながるという目的は変わっていないが、ブランドが多くECで選びにくいという声もあり、アプローチできていない層にも効率的にアピールしたい」と説明する。ブランド名は、「由縁」から。さまざまな女性の価値観に合う日常の心地よさを提供する。上質な素材選び、美しいデザイン、メード・イン・ジャパンの品質の高さなどにこだわり、消費者が納得する商品を提供する。生産は、ワコールの長崎および福井の直営工場で行われ、百貨店や専門店などで販売。ブラジャーの価格帯は1万1000~3万3000円。25年3月期には売り上げ50億円(EC比率30%)を目指す。