狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.4。今回のテーマは「ぷっくぷくのひげ袋」。ひげ袋は、人間でいうところの鼻の下であり、老化サインが如実に現れるデンジャラスなエリア。猫にとっても人間にとっても、顔を若々しくかわいらしく見せるこの最重要パーツを攻略するには?
猫のひげ袋は神経や筋肉が発達。無意識の緊張感が“ぷっくり”の鍵?
いい加減しつこいと思われるだろうが、何度でも言う。猫の顔はかわいい。その理由を数え上げたらキリがないが、「ひげ袋」がかなりの要素を占めているのではないかと、最近とみに思うのである。
ひげ袋、それは猫の鼻と唇の間にある、ぷっくりと膨らんだ魅惑のパーツ。「ウィスカーパッド」という正式名称があるそうだが、わかりやすく説明するとコレ「ω」のこと。リラックスしているときにはわりとシュッとしているのだが、おもちゃや獲物を見て興奮すると、ひげ袋がブワ〜ッと膨らんで、ひげがピンッと放射状に広がりグッと前に出る。このひげ袋パンパンの興奮顔がまたかわいく、猫変態は毎回毎回、骨抜きにされるのである。
このひげ袋、もちろん猫の顔をかわいくするためのものではない。猫にとって大切な、「ひげを支える」という大事な役割がある。猫のひげは通常の体毛よりも深いところから生えていて、その毛根の周りには感覚受容器や神経細胞が豊富に存在している。そのため、猫のひげは感覚が非常に鋭く、まるでパラボラアンテナのように外界の情報をキャッチすることができ、平衡感覚や空間的な位置の把握、わずかな空気の流れや気圧の変化までも感じとることができるという。また、筋肉が発達しているため、上下に前後にと、自分の意思で自在に動かすことも可能だ。
猫自身は無意識だろうが、それだけ感覚器や筋肉が発達しているということは、つねに緊張感が保たれているということ。だからいつまでも、たるみのないぷっくぷくのひげ袋をキープできているのではないだろうか。
顔の骨粗鬆症&肌のたるみで鼻の下が猿化!
猫のひげ袋を、人間のパーツで例えるなら鼻の下。年齢を重ねるほどに鼻の下は間延びしていくから、常に緊張感をキープして、猫のようにぷくっとハリのある引き締まったひげ袋(鼻の下)を目指したい。
鼻の下がだんだん間延びしていく原因は、大きく分けて2つ。一つは、肌弾力の低下や表情筋の衰え。そしてもう一つが、顔の骨粗鬆症だ。骨の萎縮は40代から始まるといわれるが、頭蓋骨が縮むことにより、鼻や目などの空洞が広がっていくため、骨という支えが失われ、鼻の下がだらりと伸びた猿っぽい顔つきになってしまう。
「猫に似てる」と言われると嫌な気はしないが、「猿に似てる」と言われて喜ぶ人はまずいないだろう。「あんた猿に似てるね!」と面と向かって言われることはないだろうが、マスクを外した顔を見て「鼻の下が猿並みに長いな……」と心の中で思われている可能性は大いにある。もしも「マスク美人」と言われた経験があるのなら、それは「マスクを取らない方が美人」という意味であり、決して褒め言葉ではない。猿には悪いが、猿よりも猫な女でありたいからこそ、鼻の下を含めた顔全体のハリ感を強化するケアを死ぬ気で始めたい。
高機能ハリケア&表情筋トレーニングで引き締まった「ひげ袋」に❤︎
顔の骨粗鬆症をピンポイントで食い止めるのはなかなか難しい。骨の萎縮によるたるみはヒアルロン酸注入など美容医療におまかせするとして、日々のケアでは表情筋トレーニングやたるみケアアイテムを投入して、鼻の下の間延び予防&対策を。
表情筋トレーニングは自力でもできるが、余計なシワを増やしたり、表情を引き下げる筋肉まで誤って鍛えてしまったりするというリスクを孕んでいる。その点、「ヤーマン(YA−MAN)」の EMS美顔器“メディリフト プラス”は、リフト筋と呼ばれる大小頬骨筋を鍛え、かみ締めなどでこわばった咬筋をストレッチするという、それぞれの筋肉に適切なアプローチがかなうクレバーな一品。ハンズフリーで隙のない顔筋トレーニングが“ながら”でできてしまうのもうれしい。
鼻の下の肌のゆるみ対策には、「ラ・プレリー(LA PRAIRIE)」の“SC リキッドリフト”を。肌をシャープに引き締め、しなやかなハリを与える「キャビアプレミア」と、グラマラスなハリ肌を目指す「キャビアアプソル」というプレシャスなキャビア由来成分をダブル配合。マスク生活でゆるんだ肌がシャキッと目覚めるような手応えは感動もの。
加齢とともに上唇が薄く輪郭が曖昧になっていくのも、鼻の下の間延び感を悪目立ちさせる原因に。日々のリップケアを強化するなら、PRSS.Japanの“ラシャスリップマスク”をレコメンド。独自開発のナノペプチド複合体+をはじめ、ビタミンA・C・E、有機植物エキス、有機保湿オイル、ヒアルロン酸といったクリニック専売品ならではの成分へのこだわりと濃密なアプローチで唇を集中ケア。ぷるんとしたメリハリのある唇を目指せるはずだ。
長引くマスク生活は、顔の下半分の緊張感が失われがち。マスクに甘えて猿顔になるか、猫のひげ袋を目指してゆるみきった鼻の下に活を入れるのか。今どれだけたるみと向き合うかが明暗を分ける。