「グッチ(GUCCI)」は7月18日、ブランド創業100周年を記念して、拠点を構えるイタリア・フィレンツェの姉妹都市である京都市の清水寺で、8月以降順次発売する最新コレクション“アリア(ARIA)”をお披露目するイベントを開催した。当日も午後6時半までは通常通り観光客らの参拝を受け付けていた清水寺は、午後8時には、“アリア”コレクションのオリジナルムービーの冒頭を思わせるピンクの世界に。音羽山の断崖に立つ清水寺の本堂などには、“アリア”コレクションをまとったマネキンが出現。古の衣装をまとったバレエダンサーや雅楽家の舞台や演奏が花を添え、セレブと顧客、メディアは、久々のビッグイベントを楽しんだ。
「グッチ」は“アリア”コレクションで、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のスタイルに「グッチ」のロゴやモチーフをのせるなど、既存の“何か”に突如新しい“何か”を加える「ハッキング」をテーマとした。清水寺を“アリア”コレクションの世界に染めた今回のイベントは、まさに「グッチ」による清水寺の「ハッキング」だ。「バレンシアガ」への「ハッキング」が人々を驚かせたように、今回の「ハッキング」もイベント参加者はもちろん、清水寺の周囲に住む人々はビックリ。「GUCCI ARIA」というピンク色のネオンサインに彩られた清水寺の正門・仁王門には、「ハッキング」されて、趣を変えた姿を見に訪れた人の姿もあった。
“アリア”コレクションは、本殿などに並び、ムービー終盤のユートピアを彷彿とさせる森のデジタルサイネージで彩られた。本堂や経堂などの柱は、森の木々のように彩られ、「グッチ」らしい乗馬スタイルやトム・フォード(Tom Ford)時代のクリエイションなど、「グッチ」100年の歴史から刺激を得た“アリア”コレクションを出迎える。歴史や遺産にオマージュを捧げつつ、そこに新機軸を加えて強烈なインパクトを残した清水寺でのプレゼンテーションは、全く同じアプローチでトレンドをけん引しトップブランドに躍り出たアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)の「グッチ」そのもの。京都の歴史と、イタリアから伝わる最新モードの融合は、“アリア”コレクション同様、時代の新たな息吹を感じさせた。
「グッチ」は19日まで、仁和寺でハイジュエリーのお披露目イベントを開催(招待客のみ)。7月22日から8月15日までは、市内の旧川崎邸を蘇らせ、バンブーハンドルのトートバッグ“グッチ ダイアナ”にフォーカスする体験型イベント「グッチ バンブー ハウス」を開催(事前予約制)するなど、この夏、京都の複数箇所を「ハッキング」している。