毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年7月26日号からの抜粋です)
村上:毎月1人くらい外部の方に特集を監修してほしいし、僕らはまだまだ美容家の方たちとのお仕事が少ないので、いい機会だったね。
中出:はい。メイクトレンドはこれまでファッションのランウエイや各ブランドの新作からまとめてきましたが、年々トレンドといえるものがなくなりつつあると感じていました。一方で、化粧品のキャンペーンに男性が起用されることが増え、直近では男女が1枚のビジュアルに収まるようになってきました。そこで今回は「性別にとらわれないビューティ」を特集テーマに決めました。
中出:加藤さんならではの視点もあり、これまでとは違ったアプローチができたと思います。宇多田ヒカルがノンバイナリーであることをカミングアウトするなど、男性性にも女性性にもあてはめない動きがあることは知っていましたが、欧米では男性性と女性性が流動的な「ジェンダーフリュイド」という言葉があるそうで。加藤さんからは「ジェンダーフリーで使える」という表現ですら弱いんじゃないかと指摘され、いろいろ考えさせられました。“自分らしいメイク”が重要なのですが、コンセプトから突っ込んで考えないといけないと思いました。
村上:この2〜3年、ものすごいスピードで価値観が変わってきた。多様化する個性に対してどうアプローチするか、どう寄り添うのかの一つのアイデアというか、気付きのきっかけになる特集になったんじゃないかな。
中出:そう思います。加藤さんとは、秋くらいから動画コンテンツも始める予定、乞うご期待です!