ファッション

デムナ・ヴァザリア、「バレンシアガ」クチュール復活の裏側を語る

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 「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が、53年ぶりにクチュールを再開した。デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)=アーティスティック・ディレクターにとっては初めての、そしてメゾンとしては50回目のクチュールとなった。今後は、年1回のペースでメンズとウィメンズのクチュール・コレクションを発表していく予定だ。

 「クチュールは、今日のファッションの中で最高にクールなものと言えるだろう」と語るデムナが、セドリック・シャルビ(Cedric Charbit)=バレンシアガ社長兼最高経営責任者(CEO)に“クチュール再開”を提案したのは、2019年のこと。ちょうど自身のブランド「ヴェトモン(VETEMENTS)」を離れた直後のことだった。デムナによれば、この2つの出来事に直接的な関連はないそうだが、「ヴェトモン」を去ったことによって、時間的にも気持ち的にも新たなことに取り組む余裕が生まれたという。

 その提案の背景には、「クチュールを現代的な文脈に持ち込み、現在の観客に伝える」というデムナの意図があった。 “トリプルS”などのスニーカーでブランドを知った世代に、100年以上の歴史を持つメゾンのヘリテージを伝えたいという思いがあり、「教育的な意味に加えて、クチュールに凝縮されているファッションの最も重要な部分にスポットライトを当てたかった」と明かした。

 シャルビ社長兼CEOによると、再始動するために要した準備期間は1年ほど。これは、裁縫師やセールス、サロンディレクターの募集と、刺しゅうなどの専門アトリエやシューズを手掛けるマサロ(MASSARO)、サビル・ロウのテーラーであるハンツマン(HUNTSMAN)との提携が必要だったためだ。また、メゾンゆかりのジョルジュ・サンク通り10番地に、創業者であるクリストバル・バレンシアガ(Christobal Balenciaga)が働いていた当時のクチュールサロンを復元。今回のショー会場としても使用した。

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