東京オリンピックの新競技として若い世代からの関心も高いスケートボードの男女ストリートが25、26日に行われ、メダルラッシュに沸いた。男子ストリートでは堀米雄斗(22)が金メダル、女子ストリートでは、日本勢で史上最年少である13歳の西矢椛が金メダル、中山楓奈(16)も銅メダルを獲得した。快進撃をみせた3人ともムラサキスポーツの契約ライダーであり、同社にも注目が集まった。
全国に144店舗を展開するムラサキスポーツは、かねてよりスケートボードを含むアクションスポーツの普及に尽力している。今回の快挙でスケートボードを目的に来店客は増えているが、2016年に東京オリンピックの新種目に決定したことも後押しとなり、ここ数年、スケートボード人口が増加傾向にあるという。同社のマーケティング部担当者は、「昔のスケーターや憧れを持っていた人が親となり、子どもに習わせたいといった例も多く、小学校低学年から始める子が続出している。流動的ではあるが、男女比も6対4と女子スケーターも増えている」と話す。スケートボード関連の売り上げは過去2〜3年、毎年2ケタ成長と好調だ。スケートボードは1万円台から購入できるタイプが多いためトライしやすく、コロナ禍においても個人で楽しめることから需要が伸びているという。
日本でさらに盛り上がりを見せるスケートボードだが、「スケートボード発祥のアメリカは強いスケーターが圧倒的に多い。今回のオリンピックを機に日本全体のレベルを引き上げて、アメリカ勢を追い越してほしい」(同社マーケティング部の遠藤大輔氏)と期待する。
今回メダリストとなった3人に加え、両日とも解説を務めた瀬尻稜(24)もムラサキスポーツと契約しているプロスケーターだ。「ゴン攻め」や「やべー!」といったフランクな表現を交えた解説は、SNSを中心に注目を集めた。現地で選手らの活躍を見守った遠藤氏は、「(瀬尻は)特に狙ったわけではないのにSNSで話題になってしまったので、2日目の解説はやりづらいと言っていた(笑)」と裏側を明かしてくれた。また、史上最年少で金メダリストになった西矢に関して聞くと、「普通の女の子。1日3時間練習したら、あとはゲームとかしているような子。中山も漫画が好きなので2人とも普段はインドア派ですね(笑)」と教えてくれた。
残るスケートボードのパークは、8月4日に女子、5日に男子が控えている。ムラサキスポーツの契約ライダーではないものの、女子パークには世界ランク1位の岡本碧優をはじめ、四十住さくら、開心那の3人が出場し、男子パークには日本史上5人目の夏冬五輪出場となる平野歩夢が出場する。彼ら彼女らが活躍すれば、スケボー人気がさらに高まることになりそうだ。