大丸松坂屋百貨店は、2018年にスタートした富裕層向けのウェブメディア「J PRIME」を9月にリニューアルする。新編集長として「メンズクラブ(MEN’S CLUB)」編集長などを務めた戸賀敬城氏を起用。「百貨店はこれまで、男性のお客さまへのアピールが女性のお客さまに比べると弱かった」(玉眞寛貴・大丸松坂屋百貨店MDコンテンツ開発第1部マネジャー ラグジュアリー担当)ことから、“ニューリッチ”と呼ばれるような若年(30〜50代)の男性富裕層向けの発信を強める。
百貨店の特選(ラグジュアリー)フロアが商品紹介を中心とした紙・ウェブ媒体を発行していることはよくあるが、女性向けの内容が主だ。しかし、「今は『ディオール(DIOR)』『セリーヌ(CELINE)』など、ウィメンズだけでなく、メンズにも力を入れているブランドに勢いがある」(玉眞マネジャー)。また、コロナ禍で富裕層が海外旅行や外食に出かけられない中で、従来は百貨店と関係性の薄かった「30代から50代前半の若年富裕層客が外商イベントに来場したり、来店したりするケースが増えている」という。
大丸松坂屋百貨店の親会社であるJ.フロント リテイリングは、21年4月に発表した新中期経営計画の中で「プライムライフ戦略」を掲げている。同戦略は国内の“ニューリッチ”層やコロナ収束後に来日が期待されるアジアの富裕層を従来の外商の枠組みを超えて取り込むことを目指したもので、「J PRIME」の刷新もその一環。