専門店チェーン、セレクトショップの2021年7月度(既存店ベース)は、梅雨明け以降の気温上昇に伴い、夏物の動きが好調だったという声が多かった。5月、6月と前年実績を下回っていたユニクロも、7月は前年並みに回復。同じく6月に10カ月ぶりに前年を割り込んでいたしまむらも復調している。
ユニクロは同0.1%増で着地。「5月、6月と調子が悪かった中では健闘しているが、気温上昇に助けられた部分は大きい」と広報担当者。売れ筋は“ワイヤレスブラ”などのインナーやラウンジウエア、カットソートップス類で、「(単価の高い外出着などで)目玉となるような売れ筋がない」という課題は続いている。
しまむらの運営する「ファッションセンターしまむら」(6月21日〜7月20日)は同3.9%増。前年7月も一昨年に対し9.1%増と2ケタ近く伸ばしていたが、それを上回った。売れ筋は接触冷感素材のTシャツやパンツ、寝具、インテリア雑貨など。アウトドアショップ「ロゴス(LOGOS)」と共同開発し、6月23日から販売している「ロゴスデイズ(LOGOS DAYS)」も好調だったという。
「無印良品」の良品計画は、実店舗とECの既存店売上高が同1.2%減と3カ月連続の前年実績割れ。ただし、実店舗売り上げに限れば同1.3%増だったという。「前年7月は引き続きECのニーズが拡大した時期だったので、EC売り上げは前年にはまだ追いついていない」と広報担当者。売れ筋は引き続き食品類で、食品カテゴリーの7月度売上高は同22.9%増。衣服・雑貨は同5.4%減だったが、定番のインナーウエアなどは売れた。
アダストリアは同8.3%増。「数字だけを見ると悪くないが、前年7月は6月のリベンジ消費後の買い控えなどがあったため、実際のところは物足りない結果ではある」と広報担当者。7月22〜25日の連休までは「一昨年の7月を超えるくらい、非常に好調なペースだった」が、月末にかけて失速。失速理由が「たとえば東京五輪のテレビ観戦のために消費者が外出を控えているからなのか、コロナ再拡大によるものかは不明」。
ユナイテッドアローズは前年並みで着地。良品計画と同じく、実店舗に限れば同1.7%増となったが、ECは前年実績割れ。前年7月はECのセールを積極的に仕掛けていたことの反動などにより同3.0%減だった。