ロレアル(L'OREAL)の2021年1〜6月期決算は売上高が前年同期比16.2%増の151億9660万ユーロ(約1兆9600億円)、営業利益が同26.7%増の29億8810万ユーロ(約3854億円)、純利益が同29.8%増の23億6800万ユーロ(約3054億円)と増収増益だった。19年の同期間に比べても、売上高は2%増、営業利益は3%増、純利益は1%増だった。なお19年4〜6月期に比べても、第2四半期の売上高は同8.4%増とコロナ前の水準に戻った。引き続き好調な中国市場に加え、マスクの着用義務が緩和された米国事業が急速に復調しており、成長をけん引した。
事業部別では、リュクス事業本部の売上高が同24.9%増で、スキンケア、メイクアップ、フレグランスと全てのカテゴリーが成長した。ここ数年グループ全体の成長を率いるアクティブ コスメティックス事業部は同32%増と引き続き好調だった。「セラヴィ(CERAVE)」は売り上げを倍増し、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE POSAY)」も売り上げシェアを拡大した。プロフェッショナル プロダクツ事業部は同32.6%増で、「ケラスターゼ(KERASTASE)」がけん引した。メイクアップ比重が大きいコンシューマープロダクツ事業部も米国市場のリバウンドで同1.9%増を記録し、4〜6月は同14.2%増と復調しつつある。中でも「メイベリン(MAYBELLINE)」の新作マスカラや「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」のパウダーが人気だった。ヘアケアも2ケタ成長し、スキンケアも「ロレアル パリ」が中国で引き続きトップセラーだった。
地域別では北米の売上高が同13.8%増、北アジアが同23.2%増、南アジア・中東・北アフリカが同13.3%増、ラテンアメリカが同22.7%増だった。ロックダウンや外出に関する規制が緩和された米国や中南米は売り上げを伸ばした。日本と韓国は新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け続ける一方で、中国は海南島の免税事業が成長し続けた。カテゴリー別ではスキンケアが引き続き伸び続けたほか、フレグランスの売り上げが同24%増と最も伸びた。
5月に最高経営責任者に就任したニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)は決算会見で「ビューティ市場は、コロナ前の水準に戻りつつある。中国は引き続きビューティ需要が高く、中でもラグジュアリーが好調だ。またメイクアップの復調が中国と米国で始まり、他国にも徐々に広がっている。ロレアルは市場平均よりも2倍のペースで復調をしており、下半期も19年を上回る成長スピードを目指す」とコメントした。