TSIホールディングス子会社のHYBES(東京、中村晋社長)は、ネット専業のウィメンズブランド「メクル(MECRE)」を2021-22年秋冬にスタートする。
インスタグラムで15万フォロワーを持つインフルエンサーのMAIがブランドディレクターを務める。「ワントーンの比較的シンプルな装いがトレンドだけれど、個性が際立っていて、モード感のある服が欲しかった」という彼女の意向を反映し、大胆な配色を施したコート(税込4万9500円)」やラグジュアリーなムードのフェイクファーブルゾン(同4万700円)などをファーストコレクションのメインアイテムに据える。
トップスやスカートは1万円台後半〜2万円台後半、コートやブルゾンは3万円台後半〜4万円台後半と、EC専業ブランドとしてはやや高めの価格設定となっている。「ネットのみで販売するブランドは値頃感を打ち出したものも多いが、あくまで品質で勝負し、(収入が)アッパーミドルの大人の女性を狙っていく」と中村社長。今後は生産背景などにおいて、TSIグループの百貨店ブランドなどとのシナジーも視野に入れる。
HYBESは20年8月にTSIグループに加わった「エトレトウキョウ(ETRE TOKYO)」の運営を主に担い、構成メンバーも事業の譲受元である3ミニッツから転籍した若い女性が中心。「エトレトウキョウ」は商品単価3万円程度と比較的高単価ながら、EC販売比率は65%以上を占める。ここで培ったSNSの運用やデジタルマーケティングのノウハウを成長のエンジンとし、「メクル」は3年以内に売上高5億円規模を目指す。
来年度(23年2月期)には、新たに2つのネット専業ブランドの立ち上げを計画する。「D2Cブランドの運営ノウハウを蓄積し、(HYBESを)グループ全体にデジタルを核としたさまざまな波及効果を生み出すプラットフォームにしていきたい」(中村社長)考えだ。