消費者の間で、セルヴィッジデニムやローデニム、ヴィンテージ風デニムなど、デニムのフィット感だけでなくテキスタイルや質感への関心が高まる中、消費者の協力を得て、リアル・ヴィンテージデニムを販売する画期的な試みを、「アー・ペー・セー」を筆頭に複数のブランドが始めている。
ドイツ・ハンブルクを拠点にデニムラインを展開する「クローズド」も、消費者がはきこんだジーンズを回収するプロジェクトをスタート。同社の代表者は「我々は35年の歴史を持つブランドだ。過去に販売したデニムが戻ってくるのが楽しみだ」と話す。最も古いモデルのジーンズを返却した消費者はブランドから1000ユーロ(約13万6000円)分のクーポンを受け取る。
最近、同プロジェクトを始めたスウェーデンの「ヌーディジーンズ」は、再利用のジーンズを新品より安く販売する。価格は、新品のセルヴィッジデニムが169ユーロ(約2万2900円)、回収した商品は50 ~80ユーロ(約6800 ~1万800円)だ。消費者によってリアル・ヴィンテージとなったデニムを扱うブランドや、このように消費者にとってもブランドにとってもお得な、リサイクル的側面を持つプロジェクトは今後さらに増えそうだ。