アシックスの2021年1〜6月期は、売上高が前年同期比42.6%増の2094億円、営業利益が239億円(前年同期は38億円の赤字)、経常利益が247億円(同59億円の赤字)、純利益が123億円(同62億円の赤字)だった。上期で売上高2000億円を超えるのは4年ぶり。コロナ禍で各種競技の大会中止や直営店の休業などを強いられたが、グローバルのEC売上高が同36.1%増と大きく伸びた。収益性を重視した販売施策が奏効し、粗利益率は前年同期から2.3ポイント上がった。
主力のパフォーマンスランニング(PF)の売上高は、同54.2%増の1085億円だった。健康需要の高まりを受けて、ほぼ全ての地域で増収となった。定番の“ゲル カヤノ(GEL-KAYANO)”や“ゲル ニンバス(GEL-NIMBUS)”のほか、ユーザーの走法に応じて設計した新作レーシングシューズ“メタスピード(METASPEED)”シリーズも伸長した。ランニングパフォーマンスの向上を目指すサービス「アシックスランニングプログラム」や、カシオ計算機と共同開発したコーチングサービス「ランメトリックス(RUNMETRIX)」など、新施策も認知拡大に貢献した。
オニツカタイガーの売上高は同33.9%増の210億円。中華圏の売上高が同54.5%増の125億円と好調だった。その他のカテゴリー別の売上高は、コアパフォーマンススポーツが同44.4%増の234億円、スポーツスタイルが同36.3%増の171億円、アパレル・エクィップメントが同30.5%増の167億円だった。
今回の業績と、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ、5月に発表した21年12月期の連結業績予想を上方修正する。売上高は、前回予想(3850億~3950億円)の上限値である3950億円とし、営業利益は145億円(前回予想115億~135億円)、経常利益は135億円(同100億円~120億円)を見込む。純利益は前回予想(25億~35億円)のレンジ内である25億円とする。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大により当初予定していた店舗が開業できず、店舗休止等損失52億円を計上している。