膝上の“ミニ丈”が復活です。キーアイテムは、ミニ丈ワンピースやミニスカート、ショートパンツ。キュートに見えすぎる懸念もありますが、ブーツを合わせれば、ハードさが加わり、さらに足元に視線が散るので好バランスに整います。夏の急な雨でも裾が濡れる心配がないのも、ミニ丈の長所。ブーツの量感次第で、脚を華奢にも見せられます。
たとえば、「イザベル マラン(ISABEL MARANT)」は、チャーミングなマイクロミニのジャンパースカートに、ウエスタンブーツでスパイスを添えました。ふんわりボリュームのある袖のプラウスがロマンチックな雰囲気を漂わせています。甘さが薫るパウダーピンクのジャンパースカートに、あえてタフなウエスタンブーツを合わせて、ムードを巧みにずらしました。この“ミニ丈×ブーツ”のコーディネートは、2021-22年秋冬にも広がりを見せそうなので、今のうちにイメージをインプットしておきましょう。
タイトスカートで“脱ストリート” ポイントは量感コントラスト
夏のブーツは、おしゃれ好きのレパートリーの定番になっています。今回はそこにミニ丈のボトムスを加えて、元気さやフレッシュさを引き出す効果を狙うわけです。
パーカルックはストリート感が濃くなりがちですが、ミニのボトムスを使えば、雰囲気が様変わり。「ホルツワイラー(HOLZWEILER)」は、白系のミニ丈のタイトスカートでみずみずしいムードに導きました。足元に迎えたのは、雨の日にも重宝しそうな長靴風の白ブーツ。ボリュームがあるので、脚が細く見える効果にも一役買っています。スエットのトップスのふんわりとしたフォルムと、コンパクトでタイトなミニスカートのコントラストでシャープな着映えに仕上がりました。スカートとブーツのカラーコンビネーションも爽やかな印象を与えています。
ショートパンツはハードブーツで“脱・少年”に
ボーイッシュな印象が強いショートパンツですが、ブーツと組み合わせると、子供っぽさを軽減できます。ハードな表情のブーツを選べば、さらに効果大です。
「エムエスジーエム(MSGM)」は、ラッフルをドラマティックに躍らせたブラウスに、ゆったりしたショートパンツをスタイリング。セットアップ仕様のジャケットを羽織って、ショートパンツのカジュアルな雰囲気を遠ざけています。装いを引き締めたのは、白のコンバット風ブーツ。ブラウスとは真逆のタフさをミックスしました。足元はスニーカーよりブーツのほうがクールに仕上がります。
甘口ワンピはブーツで“スパイス” ガーリー×クールの二面性コーデ
ベビードール風のワンピースは甘い表情になりがちですが、ミニ丈ならなおさら。そこで、シックなブーツの出番です。
写真は、洗練されたフレンチカジュアルが持ち味の「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」らしい、ベビードール風のミニワンピース。ケープのような首周りのデザインも愛らしさたっぷりです。このスイートな印象を中和するのに、黒ブーツがいい仕事をしています。上下の甘辛ミックスで、二面性を物語るかのような重層感が生まれました。ケープ部分とブーツの“ボリュームの落差”がレッグラインを華奢に見せています。
スニーカーよりクール、サンダルよりスレンダー映え
ミニ丈のボトムスとブーツのコンビネーションは、実は以前から支持されていたスタイリングでもあります。ミニ丈×スニーカーは幼く映りがちで、ミニ丈×サンダルは素足感が目立ちすぎるなか、ブーツは装いに適度な“強さ”をもたらしてくれます。
ベビードール風のミニ丈のワンピースは、キュートな印象を押し出せる、夏向きのアイテムです。ノースリーブかつ純白を選べば、より若々しくチャーミングな印象に。ただし、スタイリング全体が甘くなりすぎないよう、小物や靴でトーンを整えて。1枚目の写真は、メタリックのパーツが施されたロックテイストのショートブーツを合わせることで甘さがトーンダウンされ、“かわいい×カッコイイ”のミックステイストに整いました。
2枚目は、裾のスリットと縁取りレースが目を引くデザインスカート。両足を大胆に露出する、ユニークなスリットが程よくセクシーな印象です。女っぽさを薄める“引き算”のピースに選ばれたのは、パンクなブーツ。スカートのミステリアスなムードと、クールなブーツのクロスオーバーが、全体に芯の強いイメージを漂わせました。
ミニ丈のボトムスにブーツを合わせれば、足元に安定感が出るうえ、素足がのぞく面積も少なくなります。さっぱり見えがちな夏の装いも、ブーツでムードをずらすことで、味わい深い見た目に仕上がります。スタイリングにおいて長所が多いブーツだからこそ、秋以降の本格導入を前に、夏服にも取り入れて使い回すのがおすすめです。