狂ったように猫を溺愛する美容ライターが、猫と美容を強引に結びつける力技ビューティコラムVol.6。猫にちなんで、毎月2(ニャー)日と22(ニャーニャー)日の2(ニャー)回更新しています。今回のテーマは、「かわいい足あと、かわいくない足あと」。動物の中でトップクラスにかわいい猫の足あとと、美容的に忌み嫌われるカラスの足あとについて考察。自分でもあきれるぐらい強引な着地も必見です。
飛鳥時代の古墳から、猫の足あとつきの土器が出た!
半年ほど前、猫博士として知られ、長年にわたり猫の生態研究を行ってきた山根明弘教授に取材させていただいた。美容を一切絡めない取材自体が新鮮だったこともあるが、愛してやまない猫に関して、こんなにも知らないことがあったのかという驚きの連続で、大変興味深く話を伺った。中でも個人的にじわじわ萌えたのが、「飛鳥時代の土器に猫の足あとが残されていた」という話。
先生によると、2007年に兵庫県姫路市の見野古墳群で行われた発掘調査で、猫の足あとがくっきりとつけられた副葬品の須恵器が発掘されたという。これは窯で焼く前の乾燥させる過程でつけられたものとされており、当時のアトリエに猫が出入りしていた証拠となっている。丹念に土をこね、神経を研ぎ澄ませながら成形して、あとは焼くだけの段階で猫に踏みつけられたら「イャァァァァァ!」と発狂しそうなものだが、焼いた本人は気づいていなかったのだろうか、なぜかそのまま窯で焼かれ、厳重に副葬され、晴れて現代の私たちにお披露目されることとなったのである。
主人が土こねに夢中になっている隙にやってきて、成形ホヤホヤの須恵器の上を悪びれることなく踏みつけご機嫌に去っていく猫、焼こうと思った須恵器に足あとがつけられているのを見て怒るどころか「えっ猫の足あと柄ってかわいくない?」とそのまま窯にINし副葬品にしてしまった職人。Vol.1で「猫は古代エジプト時代からペットとして愛されていた」という話をしたが、飛鳥時代の猫と日本人の関係性も、きっとそうだったのだろう。猫が家畜化されていたり害獣扱いされていたりしたら、職人のアトリエに自由に出入りできないだろうから。妄想はつきない。
猫の足あととは真逆! 負のインパクトを生むカラスの足あとには要注意
猫は本体がいなくても、もはや足あとだけで人々を萌え死にさせることができるのだ。何なら「猫の足あと」とつぶやいてみるだけでもほっこり優しい気持ちが芽生えてくるのだから震えが止まらない。
犬の足あと、馬の足あと、ラッコの足あと、パンダの足あと。ほかの動物でも、そこそこほっこりできる気もするが、絶対にほっこりできないのが「鳥」。目尻に刻まれたシワを「カラスの足あと」と言うぐらいネガティブなイメージもあり微妙である。耳にするだけでいくらでも萌えることができる「猫の足あと」とはえらい違いだ。
カラスの足あとは、なぜこんなにも嫌われるのか? おばあちゃんのイラストには必ずと言っていいほど目尻にカラスの足あとが描かれているように、目尻にくっきりと刻まれたシワは、誰が見てもわかる老化の証。笑って生まれるシワは豊かな表情を演出するもので決して悪いものではないし、若い世代にも起こりうるものだが、真顔に戻った時にもカラスの足あとがくっきり残されているのは明らかな老化のサインなので、やっぱりいただけない。深く刻まれてしまってからなかったことにするのは難しいからこそ、シワ改善系のアイケアや、シワを目立たせないアイメイクなど何かしら対策が必要だ。
カラスの足あとをなきものにするケア&メイクアイテム
無条件にかわいい猫の足あととは違い、美容的にかわいくないカラスの足あとは早めに対処。シワ改善コスメ、シワカバー下地、マットテクスチャーのアイシャドウで、猫のようにキリッとしたゆるみのない目元を目指そう。
「エチュード(ETUDE)」から、見野古墳群から出土された須恵器を思わせる、猫の足あとつきのアイパレットが登場。大人気動画クリエイター、レオ・ジェイ(LeoJ)の愛猫から着想された9色は、猫のような魅惑のまなざしをかなえるカラーバリエーションが魅力。パールやラメはシワの溝を余計に目立たせてしまうから、カラスの足あとなどシワ部分にはマットテクスチャーのアイカラーが◎。目頭やまぶたの中央などにラメをポイント的にのせれば、大人かわいい奥行きのある目元が楽しめるはず。
カラスの足あとが気になるときは、アイメイクの前に専用ベースでカバーを。「スリー(THREE)」の“エアリフトスムージングワンド”は、光の反射角度を変えながら、目尻のシワはもちろん、ほうれい線や毛穴など、表情の中で気になる影や凹凸感をひと塗りで忘れさせてくれる頼もしいアイテム。ほぼ無色透明でさらりとしたテクスチャーだから、カバーした感のない素肌と一体になるような自然な仕上がりをかなえてくれる。
デイリーなアイケアには、メディカル発想でシワをケアする「エンビロン(ENVIRON)」の“C−クエンスアイジェル”を。ビタミンA・C・Eと3種のペプチド、さらに肌内部のヒアルロン酸を生み出す力に着目したオプティムヒアル™️を独自に組み合わせ、乾燥や年齢サインが気になる目元の肌へアプローチ。ボトックスをしたような、輝きを放つハリのある若々しいまなざしをかなえてくれる。
目元が必要以上にフォーカスされがちな今こそ、アイケアやメイクアイテム選びは慎重に。カラスの足あとを刻ませないアイケア&アイメイクで、猫のようにぷっくりまあるいハリのある目元をかなえて。