コロナ禍2年目で、世界的にハイジュエリー市場が活況だ。日本でも、富裕層は海外旅行に割いていた金額を高額品の購入へシフトしている。それゆえに、各ジュエラーは新作ハイジュエリーの提案に力を入れている。ここでは4ブランドから選りすぐりの2021年新作を紹介する。
「ショーメ」の超モダンなハイジュエリーは歴史へのオマージュ
フランス・パリ発「ジュエラーの『ショーメ』は、7月のクチュール期間中にパリ・ヴァンドーム広場の本店で新作ハイジュエリー“トルサード ドゥショーメ(以下、トルサード)”を発表した。“トルサード”とは、フランス語で“らせん”を意味する言葉。同ブランドが本店を構えるヴァンドーム広場の中央にある円柱のらせん模様からインスパイアされている。その円柱はナポレオン1世がアウステルリッツの戦勝を祝賀して建てたものだ。ナポレオンのジュエラーとして知られる「ショーメ」は、今年没200周年のナポレオン1世への敬意を示すと同時にメゾンの歴史を讃えるコレクションとして“トルサード”を制作した。らせん状にくるくると回るリボンのようなデザインはしなやかかつ、とてもモダン。
ジャンマルク・マンスヴェルト(Jean Marc Mansvelt)ショーメ最高経営責任者(CEO)は、「このコレクションは伝統へのオマージュであると同時に、当時から培ってきた技術を駆使してモダンなデザインで仕上げている。体の動きに合わせてジュエリーが動くし、着け心地も抜群。見て美しいだけでなく身にまとったときに美しいかどうかが重要だ」とコメント。「ショーメ」を代表するティアラをはじめ、ネックレスやブレスレット、イヤリング、リングなどがそろう。マンスヴェルトCEOは、『本当に美しいジュエリーとは、背後にある技術を忘れてその美しさに感動するものだ。それは、名画と同じこと。名画の前で、画家がどのような技術で描いたか想像する人は少ない」と述べている。
「ハリー・ウィンストン」の色石で彩る“ウィンストン・ウィズ・ラブ”
米ジュエラーの「ハリー・ウィンストン(HARRY WINSTON)」といえば、ダイヤモンドの代表格とも言えるブランドだが、カラフルな色石で彩った新作ハイジュエリー“ウインストン・ウィズ・ラブ”が登場した。“ラブ(LOVE)”の頭文字の“ラブ(LOVE)”“オブセッション(OBSESSION)”“バウ(VOW)””エターニティ(ETERNITY)“という4章、39点から構成される。
創始者であるハリー・ウィンストンは、「宝石は、私にとって愛や人生以上のもので私を永遠に魅了し続ける」と語っている。このコメントにあるように。至高の宝石を追求し続ける姿勢は今も変わらず、ルビーやサファイア、ルベライト、タンザナイト、スペサタイトガーネットなど色とりどりの宝石がダイヤモンドと組み合わされた華麗なハイジュエリーがそろう。
「ピアジェ」は夕暮れからの祝祭の光を華麗に表現
スイス発ジュエラー「ピアジェ(PIAGET)」の新作ハイジュエリーのテーマは“エクストラオーディナリーライト”。夕暮れの祝祭が始まる瞬間をとらえた“フェスティブライト”、北極圏で見られる自然の光のショーであるオーロラをイメージした“マジカルライト”、星がまたたく夜空の下でショーの余韻に浸る“インフィニットライト”の3章で構成されている。イエローダイヤモンドやルビー、エメラルド、色とりどりのサファイアなどを使用した華麗なデザインのジュエリーをそろえた。
「ポメラート」のハイジュエリー第2弾は過去へのラブレター
イタリア発ジュエラー「ポメラート(POMELLATO)」の第2弾となるハイジュエリー“ラ・ジョイア”が登場した。“ラ・ジョイア”とは、イタリア語で“喜び”という意味。このコレクションは、1990〜2014年に製作されたアイコニックなジュエリーをモダンに解釈した第1章と、創業以来ブランドを象徴するモチーフであるチェーンやリンクをアレンジした第2章で構成。「ポメラート」のクリエイティブディレクターであるヴィンツェンツォ・カスタルド(Vincenzo Castaldo)は、「このコレクションを制作するにあたり、ブランドの歴史と奥底にある魂に触れる旅のような経験をした。ブランドの過去と未来をシームレスにつなげて自然な調和を見出せたことは喜ばしい」とコメントしている。