パーソルキャリアが運営するアパレル・ファッション業界専門の転職支援サービス「クリーデンス(CREDENCE)」は2021年4〜6月の転職求人倍率が1.13倍だったと発表した。職種別では、マーケティングが3.38倍、ウェブ・EC担当が3.30倍と売り手市場となっているのに対し、店長を含む販売職は0.72倍、パタンナーが0.93倍。「コロナ禍を背景に、ウェブマーケティングやEC事業責任者の求人数が20年4月以降右肩上がりであるのに対し、販売職は買い手市場となり、二極化している」とクリーデンスの広報担当者。
店長を含む販売職やパタンナーは、「求人数は回復傾向にはあるが、20年4〜6月との比較では6割程度の回復」という。ファッション全般としてはなかなか消費が上向かない中でも、特選衣料・宝飾品などは富裕層のコロナバブルで現在売り上げ絶好調。転職求人にもそうした状況は反映されており、たとえば「中部地区では販売職の求人のうち8割がラグジュアリーブランド」という。7月末にジェイアール名古屋タカシマヤが「ウォッチメゾン」を大名古屋ビルヂングに出店した影響や「顧客から宝飾品のニーズが高い」ことが背景にあるという。
転職求人倍率は、「クリーデンス」の転職支援サービス登録者1人に対し、中途採用の求人が何件あるかを示すもの。「クリーデンス」は従来、求人数の増減率のみを公表してきたが、今後は3カ月ごとに転職求人倍率を公表する形に切り替える。