サステナビリティ

石田ニコルと考える 電気自動車「日産アリア」とファッションのサステナブルな共通点

 電気自動車(EV)「日産アリア(ARIYA)」は、レジャーやスポーツに適したSUVタイプの新型車。快適なドライブだけでなく、サステナブルなライフスタイルを叶えるクルマだ。現在予約注文を受け付けている日本専用の限定モデル「日産アリア リミテッド(ARIYA limited)」は、大容量のバッテリーはもちろん、高速道路での同一車線内ハンズオフ走行や、駐車スペースからの出し入れの車外操作を可能とする先進的システムを搭載。同時に「ボーズ(BOSE)」の上級サウンドシステムや、枯山水をモチーフにした専用色のフロアカーペットなどを装備している。「バーガンディー/ミッドナイトブラック」など、「日産アリア リミテッド」限定の2色の2トーンボディーカラーも魅力的だ。
 サステナブルなライフスタイルを叶える「日産アリア リミテッド」とファッションには意外な関係性が存在するのではないか?そう考え、ファッションモデルで女優・タレントの石田ニコルと、横浜にある日産 グローバル本社ギャラリーを訪問。世界中の日産車のデザインを統括する田井悟(たい・さとる)エグゼクティブ・デザイン・ダイレクターと、「日産アリア」とファッションの共通点を考えた。

「粋」な外観と「間」な
車内で二面性を表現

 日産 グローバル本社ギャラリーで展示中の「日産アリア リミテッド」は、「シェルブロンド/ミッドナイトブラック」というリミテッド専用のツートンカラーが印象的だ。環境負荷が少ないためか勝手に思い描いていた、電気自動車の“優等生”的な印象は、軽やかに裏切られる。田井ダイレクターは、エンジンがないからこそ最初からフルパワーで走る電気自動車の「静かだけれど、ダイナミックに動く姿を形で表現したかった」と話す。サステナブルな車だからこそ、“車好き”以外のドライバーにも届けたいと願い、「車好きが好むパワフル」だけじゃない表現を意識した。
 「抑揚をつけるのではなく、なるべくシンプルに」。そう考え、日本の伝統にインスピレーションを得た。ホイールは折り紙、フロントのシールドには組子、ランプには行灯、そして、室内のカーペットには枯山水。日本の車メーカーとしての歴史とプライドを、最先端の電気自動車に注ぎ込んだ。石田ニコルは粋な電気自動車を「日本の伝統美が加わりスタイリッシュ。和洋が折衷しているからこそ、オシャレに感じます」と話す。
 室内は、電気自動車だからこそ、これまでエンジンが侵食していた足元の空間が格段に広くなった。外観が「粋」なら車内は「間」が特徴で、後部座席に座った石田も「前方の広さと“抜けている”カンジがスゴい!」と驚いた。

日本の伝統美は
「みんな好き」

WWDJAPAN(以下、WWD):そもそも、車やドライブは好き?
石田ニコル(以下、石田):車の中の空間、が好きなんです。友人とのドライブはもちろん、一人でSUVを走らせるのも好きですよ(笑)。プレイリストを作って、BGMを楽しみながらドライブしています。今は自分で運転する機会があまりないので、レンタカーやカーシェアリングのお世話になっています。
田井悟エグゼクティブ・デザイン・ダイレクター(以下、田井):今後車を買うなら、多分電気自動車になりますね(笑)。ご覧になった「アリア」はいかがでしたか?
石田:運転したことがなかったせいか、電気自動車をまだ身近に思えていなかったんです。大好きなゲームにはスタイリッシュで未来的な車が登場するのですが、「将来、こんな車が増えるのかな?」と思っていたくらいで。でも「アリア」は、日本の伝統美も表現しているせいか、親近感がわきますね。想像していたスタイリッシュさと、予期しなかった繊細な日本らしさ、いろんなものがミックスされてオシャレになってきたのは、ファッションと同じですね。
田井:仕事柄、コロナ前は世界中のモーターショーを訪ねていました。ファッションメディアやバイヤーの皆さんと一緒です。そこである時から、どの国でも、日本の要素が入り始めたのに気づいたんです。食べ物もそうでしょう?日本食の“格”は増すばかり。刺身がニューヨークのアメリカンレストランで出てきても驚かなくなりました。「繊細」や「健康的」などのイメージが浸透したのでしょう。今は「伸るか反るか」のギャンブルではなく、「みんな好きですよね?」という感覚で、日本的な要素が取り入れられています。
石田:ゲームの世界も同じです。海外の方にとって、アニメとゲームに溢れている日本はたまらない場所なんです。
田井:ゲームの世界は、めちゃくちゃ刺激になっているんですよ。世界中から何万人が集まって、着替えて、好きな武器を持って、同時に戦う。プラットフォームとしてモノ凄くて、「未来は、ここにあるに違いない」って思っています。

車でも「時代はサステナブル。
若い世代は地球のために選択」

石田:ゲームは没入できる世界観が大事ですが、「アリア」も周りの空気やライフスタイルを大事にしている印象です。
田井:車業界には「俺を見ろ!」という意気込みで、オブジェとしての車を作ってしまう感覚がありました。でも、僕は「アリア」は「景色」にしたかった。存在感はあるんだけれど、「俺が、俺が」じゃないカンジ。日本の伝統美は、そんなアプローチにもピッタリだったんです。
WWD:丁寧に作ったシンプルな洋服こそ、着る人の個性を引き出し、結果、長く愛されると考えるファッション業界に通じます。
田井:今までは異なる業界と分け隔てていましたが、これからは一緒。ファッションやゲームの世界で起こることは、車業界でも起こっているんです。
WWD:「アリア」はファッション業界同様、サステナブルにも真摯に向き合い生み出されている。
石田:私はサンゴ礁を守るための日焼け止めのほか、エコバッグなどサステナブルなアイテムをプロデュースしていますが、環境問題などをもっと深く学びたいと思い今年、ドイツのミュンヘンで開かれた次世代リーダーのためのグローバル・フォーラム「ワン ヤング ワールド サミット 2021(One Young World Summit 2021)」に参加したんです。改めてヨーロッパではサステナブルな生活が浸透していて、マイボトルから再生糸を使ったファッションまで、環境負荷が少ない選択肢の幅広さを感じました。私自身、買う物は、迷ったらサステナブルな方を選びたい。今は多くのファッションブランドが関心を抱き始め、オシャレに表現してくれるので嬉しいです。
田井:私たち日産も、社会に貢献するサステナブルというムーブメントを応援すべく、電気自動車という選択肢を用意したいと思っています。同時に「地球に良い」だけでなく、クルマとして、デザインとして楽しめるモノに仕上がるようこだわりました。これもファッションも同じだと思いますが、車業界にもいろんな考えがあります。その全てを叶える車の開発は、本当に難しいです。でも、時代がサステナブルなのは間違いありません。電気自動車についても、若い世代は「電気はガソリンより安い」や「燃費が良い」ではなく、地球のために選んでいる気がします。

「車は、いろんな世界の美しさの
間に存在する架け橋」

WWD:ファッション業界では、多くを捨てないように、タイムレスな洋服を生み出そうという流れがある。車業界は?
田井:バブルを経た世代には、モノは買って、捨てるのが当たり前という感覚がありました。そんな消費者に向き合ってきた業界として、「飽きられることを前提にモノを作ってきた」感覚は存在したのかもしれません。でも今は洋服同様、車を取り巻く環境も変わっています。電気自動車は間違いなく増えますが、同様にカーシェアも普及するでしょう。最近は、「シェアする時代にふさわしい性能って、なんだろう?」って考えますよ。衛生や更なる安全など、求められる性能も変わるでしょう。
WWD:レンタルやサブスクリプション、カスタマイズが広がり始めたのは、ファッション業界も同じです。
田井:直近では、カスタマイズの流れは間違いなく来るでしょうね。
石田:ゲームの世界も、カスタマイズです。スキン(ゲーム業界では「見た目の変更」の意味。「着せ替え」と同義)にお金をかけています。スゴい銃とかが出てくると、みんなが「うわぁ~」ってなるんです(笑)。お金をかけたスキンでゲームを楽しんでいますが、私には自然の中で楽しむダイビングも大事です。ゲームとは違う、「今」を見ているカンジ。このメリハリが良いんです。だからこそ、サンゴ礁を守る活動を続けながら、サステナブルな生活も心掛けたいです。私にとっての車やドライブは、2つの世界の美しさの間に存在する架け橋みたいな存在です。これからも楽しみたいと思います。
田井:ぜひ、「アリア」で出掛けてください。自画自賛ですが、静かなのにパワフルな、本当に新しいSUVなんです。知らないうちにいろいろサポートしてくれるから、運転が上手くなった気分になって、ますますドライブが楽しくなりますよ(笑)。

HAIR&MAKE:ICHIKI KITA
PHOTO:TSUKASA NAKAGAWA
STYLING:NATSUKO DEGUCHI
石田ニコルの衣装は、
ブラウス&パンツ:共に「デザイナーズ リミックス」税込2万9700円(コロネット03-5216-6518)
イヤリング:「リプサリス」同9680円(ロードス03-6416-1995)
ブーツ:「ダイアナ」同2万6950円(ダイアナ 銀座本店03-3573-4005)
問い合わせ先
日産自動車 お客さま相談室
(9:00-17:00)
0120-315-232