発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年8月23日号からの抜粋です)
中村:今年で11回目のヘアサロン版ベスコスですが、今回ほど、ご時世が反映されたのは初めてでした。
村上:というと?
中村:この1年、コロナの影響もあって、ハイトーンブームがますます顕著ですが、シャンプー部門とトリートメント部門インバスの1位と2位、など、ブリーチ毛に対応したアイテムが軒並みランクインしました。
村上:面白いね。なんでこんなに皆、ブリーチしてハイカラーなんだろう?
中村:美容師さんが口々に言うには、「お家時間が長くなって、周りの目を気にしなくて良くなったので、チャレンジしたかった人がこぞってやっている」と。
村上:確かに僕もブリーチして色を入れたとき、店内は座席を減らしているとはいえ満席で、み〜んな髪を染めてた。
中村:村上さんは今、見事なピンクですよね。
村上:「WWDJAPAN」では、ありがたいことにヘアカラーのタイアップ広告がすごく増えていて、「自分も試してみようかな?」って思ったというビジネス的な理由も大きいけれど、「髪の色が変わると、ファッションも変わるのかな?」と自分で検証してみたかった。今のところ、僕は何も変わってないけれど(笑)。でも、大概の人は絶対に変わると思う。
中村:ヘアサロン「グリコ」のエザキヨシタカさんは店舗で服を売っていることで有名ですが、お客さんがどんな髪の色にするかを事前に聞いておいて、合う服を2、3着用意して提案すると、「ほぼ全員買ってくれる」と言っていました。
村上:そこ、ビジネスチャンスあるね。なかなかの単価の製品を買う人が大勢いるわけで、ヘアサロンという空間の凄まじさを感じるよね。ブリーチしてカラーを入れてカットすれば2万円くらいになるし、さらに髪色に合わせて5000円くらいのシャンプーなどを買っている。サロンでのコミュニケーションを研究したら、販売に携わる人たちに貢献できそう。
中村:確かに。やりましょう!とにかくコミュニケーションがしやすいんですが、それが売れる秘訣ですよね。毎回2〜3時間接するわけで、お客さんと正面から向き合わないといけない。信頼関係が築けないと生き残れませんね。役立つ情報は多いと思います。