「ティファニー(TIFFANY & CO.)」は23日、ビヨンセ(BEYONCE)とジェイ・Z(Jay-Z)を起用した最新キャンペーン広告を公開した。夫婦そろってキャンペーンに登場するのはこれが初めて。「アバウト ラブ(About Love)」と題したキャンペーンとして、9月2日に英国版「ハーパーズ バザー (Harper's BAZAAR)」でデビューする。キャンペーン動画も15日からニューヨークのタイムズスクエアの巨大スクリーンや「ティファニー」公式サイトなどに登場する予定だ。
キャンペーンでは、ビヨンセは1877年に南アフリカで発掘された128.54カラット82ファセットに輝く「ティファニー」ダイヤモンドを着用。活動家のメアリー・ホワイトハウス(Mary Whitehouse)とオードリー・ヘップパーン(Audery Hepburn)、レディー・ガガ(Lady Gaga)に次いで、世界で4人目となる。
「ティファニー」ブルーで描かれた画家のジャン・ミシェル・バスキア(Jean-Michel Basquiat)の作品も、同キャンペーンで初めて披露目された。「イコールズ・パイ(Equals Pi)」と題したバスキアの作品は、1982年に制作したもの。コレクターの手元にあった同氏の作品を「ティファニー」が買い取り、今回広告への登場が実現した。
アレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)=「ティファニー」プロダクツ&コミュニケーションエグゼクティブ バイスプレジデントは、「バスキアがこの作品を『ティファニー』のために製作したという文献が残っているわけではないが、彼がニューヨークやラグジュアリー、ジュエリーに愛を持っていたことはよく知っている。この絵は偶然ではないと思っている。このブルーはとても特徴的な色だし、(ブランドへの)オマージュだと感じる」とコメントする。
同広告の公開後も「ティファニー」は、1年にわたって短編映画や動画も公開する。中には映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー(Moon River)」をビヨンセが歌う動画も収録。ミュージックビデオのようにジェイ・Zがフィルムカメラでビヨンセを撮り下ろし、ビヨンセのビジュアルアルバム「ブラック・イズ・キング(Black is King)」を撮影・編集したエマニュエル・アジェイ(Emmanuel Adjei)監督も制作に携わった。またビヨンセとジェイ・Zとパートナーシップを結び、ヒストリカリー・ブラック・カレッジズ・アンド・ユニバーシティズ(Historically Black Colleges and Universities)の奨学金およびインターンシッププログラムに200万ドル(約2億1000万円)を贈る。
20年末にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)傘下となった「ティファニー」では、ブランドイメージの刷新を進めている。1月に新体制を迎えて以来アルノー=エグゼクティブ・バイス・プレジデントは、これまでのブランドの歴史を現代的にアップデートしつつ、ブランドのさらなる進化を図る。母の日やバレンタインデーだけにとらわれない発信を強化するほか、若い消費者へのアピールとして“脱・ママのためのティファニー(Not Your Mother’s TIffany)”をスローガンに掲げる。
ビヨンセとジェイ・Zの起用理由については、「ビヨンセは世界最高の歌手で、ジェイ・Zは世界最高のラッパー。そしてわれわれも世界最高のジュエリー会社。このキャンペーンは、何か1つでも欠けたら実現しないものだった。2人とも『ティファニー』に希望を寄せており、一緒になってストーリーを伝えたいと思った。キャンペーンを通してファミリーの一員として迎えることができて光栄だ」と語った。