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競争激化のデリバリーサービスがコスメを運ぶ理由

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 ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、コスメのデリバリーサービスと日本の経済回復への課題の話。(この記事はWWDジャパン2021年8月23日号からの抜粋です)

【賢者が選んだ注目ニュース】
「ラッシュ」がデリバリーサービス「ウォルト」と提携
花王1〜6月期は“ニューノーマル対応”製品などで増収増益

 コロナ禍で飲食業界は打撃を受けた一方、フードデリバリー業界が急成長している。フードデリバリー市場規模は2018年は3631億円だったが、新型コロナウイルスが流行し始めた20年には4960億円まで伸び、21年は5678億円、22年には6303億円と試算されている(ICT総研調べ)。国内でフードデリバリーサービスの代表といえば出前館、ウーバーイーツを思い浮かべる人も多いだろう。家ナカ需要の追い風により出前館は注文件数が増加しているものの、21年6〜8月期決算は約45億円の営業赤字となった。赤字の一因は新規獲得に向けた広告宣伝費が嵩んでいること。これは出前館に限ったことではなく、業績が赤字の企業がたくさんあるのだ。

 いまデリバリー業界は大規模広告を打たないと収益を稼げず、売り上げが増えてもそれに連動するように広告費も増加し市場を取りに行けていない状況といえる。さらに昨年からレアゾン・ホールディングス傘下の「メニュー」をはじめ、「フードパンダ」や「ドアダッシュ」、そして今回の1本目のニュースにも登場する「ウォルト」など外資系企業の参入で競争が激化。デリバリーサービスがフードだけではやっていけないというところまできており、そこに目を向けたのがコスメだった。

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