女優の松本穂香が腐女子を熱演するWOWOWオリジナルドラマ「グラップラー刃牙はBLではないかと考え続けた⼄⼥の記録ッッ」が話題になっている。シリーズ累計発⾏部数8500万部を突破する国⺠的格闘漫画「グラップラー刃牙」(板垣恵介著、秋田書店)を人生で初めて読んだBL(ボーイズラブ)研究家の⾦田淳⼦が、「この作品、濃厚BLなのでは?」と発想したことから生まれた規格外エッセイを原案にしたドラマだ。同エッセイ「『グラップラー刃牙』はBLではないかと1日30時間300日考えた⼄⼥の記録ッッ」(⾦田淳⼦著、河出書房新社)の世界観そのままに、妄想に取り憑かれた一人の“BL愛好家”あかね(松本穂香)の壮絶な闘いの記録になっている。ここでは主演を務める彼女に、作品の魅力と「WWDJAPAN」読者へのメッセージを聞いた。
「WWDJAPAN」(以下、WWD):主演の話がきた時の感想は?
松本穂香(以下、松本):初めて題名を聞いた時、「何が何?」と理解が追いつかず笑ってしまったのを覚えています。題名から面⽩い予感がにじみ出ているし、監督は⼭岸聖太さんだし、「これは絶対面⽩い!」とワクワクしたのを覚えています。
WWD:脚本を読んだ時は?
松本:「すごくしっちゃかめっちゃかな世界観!」と思いました。もちろんいい意味で。「BL好きな⼄⼥の頭の中を具現化すると、こんなにもカラフルな世界になるのだなぁ」と楽しい気持ちになりつつ、膨⼤なセリフ量に圧倒されました。⼤変な撮影ではありましたが、とにかく楽しかったです。
WWD;撮影現場の雰囲気は?
松本:キャラが濃い役ばかりだったので、見ているだけで面白かったです。1カ月で全話撮ったので過酷でしたが、スタッフさんも含めて皆でいじり合いながら笑いの絶えない撮影だったので、それを感じさせないくらい楽しかったです。
WWD:撮影で大変だったことは?
松本:妄想シーンが多いのですが、とにかく妄想セリフが長いので、最初から最後まで一連で撮るプレッシャーがありました。噛んだら終わりという……。あと役の設定で、監督からは「刃牙のことを語るときは“じめっとした感じ”を入れてほしい」と言われました。「今かわいい感じだったので、もっと気持ち悪くいきましょうか」みたいな感じで(笑)。なので、笑うときもニターっとするとか、今まで意識したことのない表現を意識しました。でも、撮影が進むにつれて違和感がなくなっていきました。
WWD:自分にもオタクの要素はある?
松本:私にはないと思うのですが、学生時代に演劇部に入っていて、まわりがアニメ好きの子が多かったです。身近にいっぱいいたので、今回の撮影の際も「知らない世界ではない」と感じました。
WWD:松本さん演じる児島あかねはBLオタクですが、ルックスも個性的ですね。
松本:衣装や髪型で役柄を印象づける、というのはありますね。あかねはいつも重々しいバッグを持っていて、何が入っているのか不明なのですが、それがあかねの性格を表しているんです。あとパッツンの前髪も特徴的で、監督いわく「それが心の壁、シャッターを下ろしている表現」なのだそうです。あと「刃牙」の読者なら分かるネタで、“ごみ袋のような服”を着ている空手家のキャラがいるのですが、衣装さんが本当にごみ袋から作られたので、「WWDJAPAN」の読者の方にも注目してほしいです。
WWD:自身のヘアスタイルや美容、ファッションに対するこだわりは?
松本:髪は去年の夏にバッサリと短くしたので、当時は今よりも短かったです。一度ショートにすると、伸ばすのが面倒になりますね。特に「ショート似合うね」とか言われちゃうと、もうしばらくは伸ばせないです。肌はちょっとしたことで荒れてしまうので、フルーツを意識的にとるなど、インナービューティを意識するようになりました。メイクに関しては、保湿をしっかりして、メイクに入るまでの下地作りを大事にしています。ファッションは、普段は古着屋でシンプルな服を買うことが多いです。ワンピースが好きですね。でも家では中学生のときのジャージをいまだにはいていて、そこはあかねっぽいですね(笑)。