繊維商社のタキヒヨーはこのほど、イタリアのナチュラルビューティブランド「レルボラリオ(L’ERBOLARIO)」の輸入総代理として国内における独占販売権を取得し、化粧品事業に本格参入する。9月10日に東京・有楽町マルイへの出店とブランドの公式ECを開設する。5年後に5億円の売上高を目指す。
今年創業270周年を迎えたタキヒヨーは、変化する時代の中で"常に新しいことにチャレンジ"する。化粧品事業への参入もその一環となる。タキヒヨーの滝一夫社長は「いまは消費者の価値観も変化し、ファッションとビューティはライフスタイルのカテゴリーの中でオーバーラップしている。ファッションとビューティは年齢ではなく、自分の価値観に合っていることが(選択の)判断基準になってくるだろう」と分析し、その価値観に合ったサービスが重要だと話す。そこで「レルボラリオ」社との契約に至ったが、決め手は2つあるという。「1つは“華やかエシカル”であること。エコの重要性が認識され始め、消費者が製造の背景まで知ろうとする時代に、徹底してエシカルな取り組みを行っていることに信頼を置いている。そして、気分を高揚させる華やかさが魅力だ。もう1つは世界中で愛されているブランドであるということ。経験がない化粧品事業において成功すると確信している」と話す。今後、展開の場を主要都市に広げながら「全国で使っていただけるように育成する」と意気込む。
「レルボラリオ」は、創業者兼最高責任者のフランコ・ベルガマスキ(Franco Bergamaschi)と妻である生物・美容学者のダニエラ・ヴィッラ(Daniela Villa)の夫婦が1978年にイタリア北部のローディで立ち上げたハーブ薬局をルーツに持つ。イタリアでは約5500店舗で販売し、1000万世帯以上の家庭で愛用(2013年同ブランド調べ)されているブランドだ。研究開発から製造まで一貫して自社で管理しており、原料となる植物の多くをアッダスッド自然公園内に所有する自社の有機農園で栽培。製品研究開発ラボでは、専門知識を持つ15人の研究員が年間約40のプロダクトを開発する。ボディー、フェイス、ヘア、フレグランス、メンズ、ライフスタイルなど幅広いカテゴリーを展開し、600種以上の製品をそろえる。
また、創業時からサステナブルでエシカルな理念に基づき、太陽光発電パネルの導入や動物実験撤廃に向けた活動、フェアトレードや女性就労支援など人道的で環境に配慮した活動を行う。パッケージは、廃棄物の再利用やサトウキビ由来のグリーンポリエチレンを採用した容器、化粧箱にはFSC認証紙を採用する。
1号店となる有楽町マルイ店は、ボディーケアをメインに全38コレクション、137点を取り扱う。価格帯は1210~1万560円。10月には160点まで増やすという。店舗面積は約33平方メートルで、店頭では使用感を試せるウオッシュスタンドを設置する。また、ロスフラワーを活用したフラワーギフトボックスを用意。ECも店舗と同じ製品数を取り扱う。