オンワードホールディングス(HD)は26日、東京・代官山の商業施設「カシヤマ ダイカンヤマ(KAHIYAMA DAIKANYAMA)」および同港区芝浦のオフィスビル「オンワードベイパークビルディング」の土地を売却すると発表した。約120億円の売却益を2021年6〜8月期連結業績に特別利益として計上する。新型コロナにより経営環境が悪化する中、保有資産を見直すとともに、デジタル分野やM&A(企業の合併や買収)などに成長投資を振り向ける。
代官山の「カシヤマ ダイカンヤマ」は、合同会社FO(東京・千代田区)に約70億円で売却し、約40億円の売却益を計上する。飲食とアパレル物販の複合施設として19年4月にオープンしたが、現在はアパレル物販エリアの営業は終了し、展示スペースに転換している。芝浦のオンワードベイパークビルディングは中核子会社オンワード樫山のオフィスとして機能してきた。ヒューリックに約115億円で売却し、約80億円の売却益を計上する。
オンワードHDはいずれの不動産においても譲渡後に賃貸借契約を結び、現在の機能を維持する。
同社は今年1月にも芝浦の「オンワード樫山芝浦第2ビル」を78億円で、3月には名古屋駅前の自社ビルを65億円で、渋谷区神南の不動産を13億円でそれぞれ売却するなど、固定資産の整理を相次いで進めている。