「ブルガリ(BVLGARI)」は、藤原ヒロシの「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」とコラボレーションした時計の第2弾を発売する。2020年にローンチした第1弾同様、「ブルガリ」のアイコンである“ブルガリ・ブルガリ”をベースに藤原がアレンジを加えたもので、価格も同じく55万円。9月末に日本先行で、11月にグローバルで販売する。本数は合わせて600。約1年ぶりに藤原に話を聞いた。
WWD:第1弾の反応は?
藤原ヒロシ(以下、藤原):「売れた」と聞いている。作り手として、もちろんうれしい。
WWD:前回からブラッシュアップした点について教えてほしい。
藤原:よりビンテージ感を出すため、仕上げをサンドブラストからポリッシュに変更した。また、ストラップのストライプの配色も新たにした。
WWD:より理想に近づいた?
藤原:80%ほどだろうか。ただ、それは100%、つまり僕の思い通りでなくてもいいと考えている。あくまで相手があってのコラボレーションで、僕だけのコレクションではない。万が一僕が好きでなくても、ブランドやファンが気に入ってくれるなら成立していると思う。
WWD:「ブルガリ」との時計におけるコラボレーションは今後も続く?
藤原:現時点での回答は差し控えるが、次があるのであればデジタル版の“ブルガリ・ブルガリ”に挑戦してみたい。企画立ち上げ当初、僕からいくつかアイデアを出したのだが、その中にデジタル時計のプランもあった。すると「ブルガリ」から、「実はこんな1975年のアーカイブがある」と、“ブルガリ・ブルガリ”の前身モデルである“ブルガリ・ローマ”の写真を見せてもらい、とても興味を引かれた。
WWD:あなたにとって時計とは?
藤原:ファッションにカテゴライズされるアイテムの中で、最もアイデンティティーを表出できるものだと思う。僕が好きということもあるが、初めて会う人の時計は必ずチェックしてしまう。
例えば、スターバックス(STARBUCKS)の会長兼社長兼最高経営責任者だったハワード・シュルツ(Howard Schultz)と初めて会ったとき、共に「ロレックス(ROLEX)」の“ポール・ニューマンモデル”(“コスモグラフ デイトナ”)をしていて、同モデルを着けている人を見たのはエリック・クラプトン(Eric Clapton)以来だったので、一気に彼の人となりが分かったし、会話の糸口にもなった。
お話したように、時計はアイデンティティー&コミュニケーションツールとしての側面が強く、服装にとらわれずに着用していいのだと思う。今回の“ブルガリ・ブルガリ”も同じで、スーツでもいいし、ストリートな着こなしに合わせてもいい。むしろアンバランスというか、ギャップがあった方が面白いのでは?
WWD:街中で今回のコラボウオッチを見かけたら、どんなふうに感じる?
藤原:“お目が高い!”かな(笑)。そして、そういう時計になるよう努めた。