ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。今週は、「空間軸」にアプローチする資生堂の話。
【賢者が選んだ注目ニュース】
資生堂が初めて非接触で肌状態が分かる肌測定器を開発
コロナがもたらしたビューティ業界の10の変化
5年ほどアメリカに留学していたときに、「空間軸」「時間軸」「親密軸」という3つの軸があることを知った。日本のインターネット黎明期であった20代のころからデジタル分野に携わっているが、インターネットはこの3つの軸に大きな変化をもたらした。「空間軸」は場所のことで、場所を問わずにできることが多くなった。「時間軸」は時間のことで、ヘアサロンでいえばいつでも好きな時間にウェブで予約が取れるようになった。「親密軸」は人との関係性であり、距離が離れていて会わなくても親しくなることが可能になった。私は何か新しいことを考えるときや、ニュースを読むときにはこの3つの軸の何を変えようとしているのか、どの軸に視点を合わせているのかに注目するようにしている。3つの軸の自由度が上がれば上がるほど、ビジネス的にスケールアップすると考えている。
信用を得るプロセスの変化
新型コロナウイルスによって3つの軸の中でも、空間軸の価値観が大きく変化した。ヘアサロン業界でいえば、来店していただかないと施術ができないという価値を見いだすことができた一方で、化粧品業界ではいかに会わずして(対面でなくても)信用を得られるかがカギになっている。
これまでは店舗で販売員が製品の説明や肌診断をすることで消費者は薦められた製品を認知して購入するという流れがあり、その中でブランドや製品を信用するという流れがあった。しかし、コロナ禍によって店舗とは異なる空間軸・時間軸で信用を高めて、認知を得て購入してもらう必要に迫られた。
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