サンフランシスコ発のフットウエアメーカー、オールバーズ(ALLBIRDS)は8月31日、米ナスダック(NASDAQ)への新規上場(IPO)を申請した。IPOの規模は暫定的に1億ドル(約109億円)に設定されているが、今後決定する公開条件などによって変わる可能性がある。
オールバーズは、元プロサッカー選手のティム・ブラウン(Tim Brown)と、再生可能エネルギーの専門家であるジョーイ・ズウィリンガー(Joey Zwillinger)が2016年に創業。自然由来の素材を使用したミニマルなデザインが世界中で人気を博し、現在はシューズだけでなくアパレルやアンダーウエアも手掛けている。同社は21年6月末の時点で世界に27の直営店を構えているが、20年の売り上げの89%はECによるものだという。日本では20年1月に東京・原宿に初出店し、21年6月には同じく丸の内に2号店をオープンした。
同社がIPOを実施するのではないかとの憶測は、兼ねてより市場関係者の間で流れていたが、同社は21年2月の段階では「創業から5年しか経っていないことを考えると時期尚早」だとして、これを否定。しかし、4月には主幹事会社を選定していることを明かし、いずれIPOを行う計画であることを認めた。なお、同社はこれまでに累計1億4000万ドル(約152億円)以上の資金を調達している。
オールバーズが米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出した届出書によれば、20年12月通期の売上高は前期比13.2%増の2億1929万ドル(約239億円)だったものの、純損失は前年の1452万ドル(約15億円)から2586万ドル(約28億円)へと赤字が拡大している。また、21年1〜6月期の売上高は前年同期比26.6%増の1億1754万ドル(約128億円)と増収だったが、純損失は前年同期の950万ドル(約10億円)から2112万ドル(約23億円)へとやはり赤字が大幅に拡大している。同社によれば、これは主にマーケティングおよび営業費用が増加したことによるという。