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「キールズ」は看板製品に集中し21年上半期は2ケタ増収 クリームと透明美容液がけん引

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 ニューヨークのアポセカリー(調剤薬局)から始まり、今年170周年を迎えたスキンケアブランド「キールズ(KIEHL'S)」は3年連続でビジネスが伸長しており、2021年5〜7月も成長した。上半期(1〜6月)で見ても売り上げは前年同期比13%増、19年比は同29%増とコロナ禍にも関わらず好調だ。

 成長をけん引するのは、ブランドを代表する“ヒーロープロダクト”にフォーカスした戦略だ。最近はマーケティング費用の80%をヒーロー製品に当てており、サンプルも同製品を中心に行っている。中でもヒーロー製品として押し出すのは、軽やかなテクスチャーながら肌をふっくらと潤いで包み込む“クリーム UFC”と、透明美容液“DS クリアリーホワイト ブライトニング エッセンス”で、それぞれ売り上げの約2割を担うほどビジネスの大きな柱になっている。岩切直子・日本ロレアル ロレアル リュクス事業本部 キールズ事業部 事業部長は「“クリームUFC”は世界で5秒に1個売れているほど定番の人気製品。マスク生活で肌荒れをケアするニーズが高まる中で、肌のバリア機能をサポートする。一方の透明美容液はマスクによるくすみ悩みに応え、支持されている」と分析する。また、「キールズ」の製品は敏感肌でも使えるため、マスクの着用で敏感に傾いた肌にもおすすめだという。

 もう一つ成長を支えるのは、以前から注力するデジタル戦略だ。KCR(Kiehl's Customer Representative、美容部員)が個人の仕事用SNSアカウントで製品の魅力を発信しているほか、店舗ごとの公式アカウントを全店舗で開設し、緊急事態宣言下で店頭がクローズ中も積極的にお客とのコミュニケーションを行っている。ECでは透明美容液の定期便を昨年年初にスタートし、現在も人気だという。3カ月コースと5カ月コースがある中で「圧倒的に5カ月コースが人気。お得感も高いほか、継続して使っていただくことで効果をより体感しやすく、ファンの育成に一役を買っている」。

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