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天然、ラボグロウン、モアサナイト、SDGsで広がるダイヤモンドの選択肢

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 ラボグロウンダイヤモンド(以下、ラボグロウン)とは、工場で製造したダイヤモンドのことだ。組成は天然ダイヤモンドと全く同じだが価格は約3分の1で、2019年ごろに日本でも話題になり、「シンカ(SHINCA)」や「プライマル(PRMAL)」などラボグロウンのブランドが登場。最近は、SDGsの観点から環境に優しいラボグロウンを使用するジュエリーブランドが増え、欧米では、モアサナイトという代替品も市場で市民権を得ている。

 欧米ではラボグロウンの市場が拡大しており、ダイヤモンド専門の市場調査を行うポール・ジムニスキー・ダイヤモンド・アナリティクス(PAUL GIMNISKY DIAMOND ANALYTICS)は、ラボグロウン市場の成長率は23年、前年比22%増の52億ドル(約5668億円)になると予測。採掘による環境破壊や人道的な面で疑問視される天然よりも、組成が同じラボグロウンを選ぶ消費者が増えている。

 日本でラボグロウンの認知度はまだ低いが、松屋銀座本店(以下、松屋)は8月末、ラボグロウンを使用した独自のジュエリーブランド「エネイ(ENEY)」と「ネクストダイヤモンド ニューヨーク(NEXT DIAMOND NEW YORK、ネクストダイヤモンド)」2つのショップとECサイトをオープンした。これにより、消費者の間でラボグロウンの認知度がアップする可能性は高い。天然とラボグロウンの両方を扱う老舗、今与の今西信隆・社長は、「天然とラボグロウンの共存共栄により、ダイヤモンド市場が広がればと『シンカ』を立ち上げた。売り上げは前年の約2倍と手応えはあるが、これからだ」と話す。自社ブランド「SJXW」でラボグロウンを導入した永井淳二スタージュエリー社長は、「いまだに天然へのこだわりが強い。エシカルというより、コスパで魅力を感じる層が多いと言う。D2Cブランド「プライマル(PRIMAL)」の福島剛・代表は、「売り上げは前年比50%増で、認知度がアップしている。市場は拡大するはずだ」と述べている。

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