「エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)」はアーティスティック・ディレクターにカミーユ・ミチェリ(Camille Miceli)元「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」アクセサリー部門クリエイティブ・ディレクターを指名した。
ミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月26日に「エミリオ・プッチ」が発表するのは、ミチェリではなく社内のデザインチームが手掛けたコレクションとなるため、ミチェリのコレクションはそれ以降に発表される見込みだ。
フランス出身のミチェリ=アーティスティック・ディレクターは、15歳から「シャネル(CHANEL)」と「アライア(ALAIA)」にインターンとして入社。1990年から7年間、「シャネル」の広報を務めた。その後、マーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)が「ルイ・ヴィトン」のアーティスティック・ディレクターとして初めてレディ・トゥ・ウエアをスタートした97年に同ブランドの広報担当に着任した。マークに才能を評価されたミチェリは、同ブランドのコスチュームジュエリーのデザインを手掛けた。2009年には「ディオール(DIOR)」に移り、ファッションジュエリー部門の強化に貢献。また、レザーグッズのクリエイティブ・コンサルタントも務めた。14年には古巣「ルイ・ヴィトン」に戻り、アクセサリー部門全般を統括した。
シドニー・トレダノ(Sidney Toledano)LVMHファッショングループ(LVMH FASHION GROUP)会長兼最高経営責任者(CEO)は、自身のディオールCEO時代を振り返り、「彼女は商品開発にとても優れていて、ビジョンを持っている」とミチェリを評価する。「彼女は『プッチ』というブランド、ブランドのストーリー、そしてその世界を愛している。彼女はブランドのコードや歴史を尊重しつつ、新しさも見せてくれるだろう。ファッションには新しさが必要であり、これこそが使命だ」とコメントした。
「エミリオ・プッチ」は00年にLVMHの傘下に入る。これまでクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)やピーター・デュンダス(Peter Dundas)、「MSGM」のマッシモ・ジョルジェッティ(Massimo Giorgetti)らさまざまなデザイナーをクリエイティブ・ディレクターに起用していたが、ジョルジェッティが退任した17年からは、ブランドを前進させる最善策として社内のデザインチームがコレクションを手掛けてきた。20-21年秋冬シーズンからは、「コシェ(KOCHE)」のクリステル・コシェール(Christelle Kocher)=デザイナーや「トモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)」の小泉智貴デザイナーをゲストデザイナーとして招聘し、ブランドの歴史やDNAを再解釈するコレクションを披露。21年3月には、ブランドのルーツに立ち返り、リゾートに特化したブランドとしてリブランディングを実施すると発表していた。