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成功するサブスクは常に付加価値を更新している 一橋大ビジネススクール・鈴木准教授に聞く

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 利用料を支払うことで、一定期間サービスを受けたり、製品を使用したりすることができるサブスクリプションサービス(以下、サブスク)。近年サブスク型のサービスは増え続け、音楽や動画、食品、ファッション、化粧品、自動車など、これまでは所有することが一種のステータスだった分野にまで広がっている。サブスク型のサービスが次々にローンチされる中、ファッション&ビューティ企業がサブスク型でサービスを展開する際に注意すべきことは何か。一橋大学ビジネススクールで消費者行動論・マーケティングを研究する鈴木智子准教授に聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」 9月6日号に加筆しました)

WWD:近年サブスクが人気を集めている背景は?

鈴木智子・一橋大学ビジネススクール准教授(以下、鈴木):音楽配信や動画配信サービスが増えたことで、サブスクが特に若者にとって特別ではなくなったことがあげられる。アップルミュージックやネットフリックスなどのサービスを毎月利用することでサブスクが身近になったところに、他にもさまざまな商材のサブスクが登場した。サービスを気に入れば使い続け、気に入らなければ止めればいい。サブスクを利用することが決して特別ではなくなった。

WWD:サブスクの人気は若者を中心に拡大している?

鈴木:若者の価値観やライフスタイルにおいて、サブスクというビジネスモデルが非常にマッチしている。おカネに余裕がない若者にとって、クルマやファッションに予算を割くことは難しい。サブスクは定額かつ、ある程度価格が抑えられていることから、色々なものを可能なバジェットの中で試せるというメリットがある。好みやライフスタイルが確定していない若者は色々なものを試してみたい。

 さらに大切な点は、バブル世代や40~50代と比較して、若者世代はリユースやシェアリングに対する抵抗感が低いということ。所有に対する欲も少ない。若者のさまざまな価値観や思考がサブスクビジネスにマッチしており、活性化を促しているのではないだろうか。

WWD:コロナ禍の影響はあるか?

鈴木:日本の住居はそれほど広くないので、モノを減らして空間を広く使いたいというニーズが元々あった。所有ではなく、利用に対価を支払うということが30~40代にも浸透していく潜在需要は存在した。コロナがスイッチを押した面も少なからずある。旅行や外食が難しいと家の中で毎日をどのように楽しむかに重きを置く人が増えた。サブスクで毎月新しいアイテムが届くというのは気分を変えられるし、時勢にあっていると。しかし、コロナ禍によって消費者の間でサブスクの採用が大幅に浸透したかというとそうではなく、あくまで成長期にあると見ている。企業側を後押ししている印象はあるが、サブスクはあくまでビジネスモデルであり、どのような価値をお客さまに提供できるのかを考える必要がある。

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