ジーユーは9月6日、より幅広い客層へのブランドの浸透を狙って、2021-22年秋冬のCMキャンペーンをスタートした。従来からCMに起用しているモデル・女優の中条あやみと俳優の福士蒼汰に加えて、今シーズンからとんねるずの木梨憲武、アーティストのChara、古着屋店員出身のモデル・俳優のゆうたろうを起用。ジェネレーションZから大人世代まで、「あらゆる人」にウェブやテレビCMを通じてアプローチする。
「ジーユー(GU)」は、トレンドに敏感な20代や、30〜40代の子育て中のママ層などからの支持が厚い。一方で、「50〜60代以上などの大人世代への浸透度はまだまだ伸びしろが大きい」(広報担当者)ことから、大人世代代表として木梨、Charaを起用した。また、普段からスカートも愛用し、自分らしく自由にファッションを楽しむゆうたろうを起用することで、ジェンダーフリーや多様性の意識が高まる若い世代の価値観も取り込む。
キャンペーン第1弾として、6日にウェブCMを公開した。10月からはテレビCMも放映開始する。初回のウェブCMで打ち出しているのは、21-22年秋冬の主力商品である、やや厚手のニットアイテム、「チャンキーニット」と、“華麗パン”という愛称で推す「華麗なる冬パンツ」だ。チャンキーニットはカーディガンやプルオーバー、ベストなどさまざまなバリエーションをウィメンズ、メンズともそろえる。“華麗パン”も素材やシルエットにバリエーションを持たせて、ウィメンズ、メンズ共に打ち出す。
ジーユーの20年9月〜21年5月期業績は、昨年4〜5月に大幅な店舗休業や営業時短があったことの反動で大幅な増収増益となってはいたが、計画に対しては未達。「さまざまなトレンドを取り入れ過ぎて品番数が増えると共に、売れ残って値引きが必要となってしまった」(岡崎健ファーストリテイリング取締役)ことが背景にある。「コロナ禍で、ルームウエアやマスクなどの実用性の部分と、値下げによる低価格の打ち出しはお客さまから支持していただけた。しかし、その結果ベーシック品が増えてファッション商品が不足し、ヒットにつながりづらかった」と、柚木治ジーユー社長は振り返る。
その反省から、21-22年秋冬は「マストレンドが狙える」商品として、チャンキーニットと“華麗パン”に照準を合わせ、CMで訴求していく。「好みが多様化して(マストレンドを狙うのは難しくなって)いる。しかし、表面的なトレンドをなぞるだけではなく、実用性と低価格を兼ね備えたアイテムを、エイジレス、ジェンダーレスに着こなせるようさまざまなスタイリングで提案すれば、マストレンドにつながる」と柚木社長。
6日に行われた新キャンペーンの記者会見には、CMキャストの5人が登場。テレビゲームのキャラクターを演じているという新CMのゆるくシュールな動きや、“華麗パン”とかけたカレーパンを持ち出して、新商品をアピールした。