パリ発のオーガニックコスメ「シゲタ パリ(SHIGETA PARIS)」を手掛けるSHIGETAはこのほど、丸紅と資本提携を結んだ。日本とアジア市場でブランド認知と企業価値向上を図り、事業拡大を推進する。出資額は非公開。
「シゲタ パリ」は日本人セラピストのチコ・シゲタ(CHICO SHIGETA)が2006年にパリで創設したクリーンビューティブランド。創業時から原材料はもちろんパッケージまで環境に配慮したモノ作りに徹するほか、体と肌、髪のために自然の法則に沿ったシンプルな独自のセルフ ケアメソッド「バイタリティー・コーチング®」を打ち出す。ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)やイザベル・アジャーニ(Isabelle Adjani)など世界各国の著名人の顧客も多い。「ビューティ業界では一定の知名度を持つが、一般の人たちへのブランド認知度は高くない。ブランドの伸びしろがあると感じているものの、自分たちの資金でできることは限られていた」(オリビエ・エマニュエル〈Emmanuel Olivier〉SHIGETA社長)ことから今回の提携に至った。まずは「丸紅が持つノウハウやネットワークを活かし、『シゲタ パリ』の特徴でもあるメソッドも含めてデジタルを中心に訴求を強める。野心的に事業拡大を目指す」という。
一方、丸紅は新しいビジネスモデルの創出を図る次世代事業開発本部を2019年に立ち上げ、eスポーツやヘルスケア、フィンテック、教育などへの投資を進める。今回の資本提携はその一環で同開発本部がビューティブランドを扱うのは初めてとなる。「今後、クリーンビューティやウエルネスがスタンダードになってくるだろう。この分野の事業開発を進める中で、品質やフィロソフィーのある『シゲタ パリ』に出合った」と市村陽平丸紅次世代事業開発本部 新事業開発部 コンシューマー・ブランド事業 マネージャー。数年のうちに国内で一定の基盤を作り、シンガポールや韓国、香港など東南アジアへ進出する計画だ。
スキンケアやボディー・ヘアケア、メイク、エッセンシャルオイルなどの製品作りは引き続き、SHIGETAが有するパリのラボで実施する。チコ・シゲタ「シゲタ パリ」主宰 ホリスティックビューティーコンサルタントは、「『シゲタ パリ』は環境にしわ寄せのこないモノ作りを貫き、多くの人に寄り添い、役立つ存在でありたいと誕生した。日々の不調や悩みに応える製品が、排水溝に流れた後のことも考え抜かれた原料を使用していたり、再生プラスチックをボトルにしていたりなど、地球環境を考慮した製品だった、と押し付けではなく伝えられたらいい。こうした思いが浸透すれば、消費者はもちろん生産者もよりクリーンビューティやサスティナブルに対する精度が高まるだろう」と述べた。