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「顔面偏差値経済」で急成長する中国の美容医療市場

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 中国では美容医療市場が急拡大している。デロイト中国と中国・美団が発行した「中国 医療美容市場トレンド洞察レポート」によると、昨年は1975億元(約3兆3586億円)規模に達し、2023年には3115億元(約5兆2978億円)まで成長すると予測される。上海や北京など大都市を中心に、20〜35歳の女性による消費が盛んだ。肌管理や脱毛、ヒアルロン酸やボトックス注入などの“プチ整形”が人気施術の上位を占める。

 美容医療人気の背景には、若者の中で広まった「顔面偏差値」という価値基準がある。近年は芸能人やライブ配信者を筆頭に「顔面偏差値」が高いこと、つまり容姿が美しいことで収入を多く得て、社会的に成功することが増えた。その影響から一般人においても外見を重視する傾向が高まり、CBNデータセンターによると中国の大学生は59%が自身の外見に不安を抱えている。この価値基準は美容市場から美容医療まで、市場に大きな影響を与える。

 美容医療プラットフォームも成長しており、13年にローンチした「新氧(SoYoung)」は19年に米ナスダック(NASDAQ)で上場した。プラットフォームは医師やクリニックと患者を繋ぐだけでなく、症例の共有や口コミ投稿、カウンセリングから代金の分割払いまで、美容医療に関する一連の機能をそろえる。類似プラットフォームは「更美(Gengmei)」「悦美(Yuemei)」など多数登場している。

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