「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングは、東京2020パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで金メダルを獲得した国枝慎吾選手に、同社と柳井正会長兼社長個人から特別報奨金1億円を贈ると発表した。国枝選手は「ユニクロ」のグローバルブランドアンバサダーを09年から務めている。
パラスポーツは一般的に、「大会の賞金額をはじめとした経済的価値や評価、選手へのサポートの面で長く苦しい状況が続いている」(発表資料から)。しかし、今回の国枝選手の活躍は「パラスポーツに関わるあらゆる人を勇気づけ、将来パラアスリートになることを目指す人たちを数多く生み出す大きなきっかけになった」「パラスポーツの地位向上、パラスポーツが純然たるスポーツビジネスとして十分成立し得る可能性を示した」。同社は今後、パラスポーツイベントやスポーツクリニックなどを開催し、パラアスリートを目指す子どもたちへ「夢や希望を与える活動を広げていく」。
国枝選手は、「09年にプロ宣言した際、真っ先に声をかけてくれたのがユニクロだった。良いときも悪いときも常に寄り添い、選手活動を支援していただいている。(報奨金と共に)ユニクロから提案された、パラアスリートを目指す子どもたちへの支援活動は常々したいと思っていたこと。非常に嬉しく、楽しみ」とコメント。柳井会長は、「感染症流行で開催が危ぶまれた今大会は、さまざまなプレッシャーがあったと思う。その中で最高の結果を残した国枝選手の戦いぶりに非常に心を打たれた。国枝選手のこれまでの不断の努力と、圧倒的世界ナンバーワンの戦績、そして会う人誰をも魅了する明るさと前向きさに、心から敬意を表したい」とコメントしている。
「ユニクロ」のグローバルブランドアンバサダーの第1号は国枝選手。現在は、テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer)選手や錦織圭選手、車いすテニスのゴードン・リード(Gordon Reid)選手、ゴルフのアダム・スコット(Adam Scott)選手、スノーボード・スケートボードの平野歩夢選手もアンバサダーを務めている。