毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は2021年9月13日号からの抜粋です)
美濃島:今回、僕はデジタル取材に専念しましたが、現場からのリポートやSNSなどを見て、東京はエモーションをかき立てるブランドが多いと感じました。
大杉:本当に熱のあるブランドが際立っていました。楽天支援の「ホワイトマウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」は新宿御苑の自然の中でブランドらしさが表現できていて、15周年かつユニクロコラボも控えていることもあって、いいタイミングの素敵なショーでした。同じく京急線ジャックした「カラー(KOLOR)」はまさに「東京」らしく、リアルショーの良さが詰まっていました。あとは新人の「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」。改めてクリエイションの大切さを感じました。
大澤:やはり実際の素材感を見るのは大事だし、リアルショーは感じられるものが多いですよね。僕は「ヨシオクボ(YOSHIOKUBO)」のバックステージ取材が印象に残りました。ショーを行う意味について、久保嘉男さんが「本来服を売るためのものであって、エンタメ性も必要だけど、近くで服を見てもらうことが大事だ」と語っていて、「存在意義を示すためのショーだ」と。熱いなって思いました。
美濃島:いいですね。僕は前回リアルショーでデビューした「コンダクター(EL CONDUCTORH)」が今回デジタルで、短編映画に挑戦したのは野心的だと思いました。日本の新進ブランドが俳優を起用して撮っていて、予算が限られ制約もある中で、手探りではあるけど新しい表現に挑む姿勢に共感しました。
大杉:「ヨシオクボ」は、招待客一人一人に向けてビデオメッセージを作るなど、「おもてなし」を感じました。「コンダクター」も上映会があって、リアルだからできることを追求することでブランドの世界観が伝わってきました。コロナ下で省かれてしまい、忘れかけていたリアルの特別感を再び味わえたシーズンでしたね。