世界各国で国際交流イベントを手掛けてきた「カンサイ ヤマモト(KANSAI YAMAMOTO)」が、ファッションを軸に元気を届けることを目指した“日本元気プロジェクト2021 世界遺産ランウェイin富士山”のムービーを公開した。富士山の麓にある山梨・富士吉田を舞台に、“世界中の人々が夢に挑戦する姿”をテーマに制作した。(記事最後で動画を視聴可能)
イベントには、故・山本寛斎の「ファッションは人々を元気にするものである」という思いに共鳴したファッションデザイナーやアーティスト、国内外から選出した服飾学生が参加した。「カンサイ ヤマモト」は、富士吉田の特産品である“先染め織物”を複数組み合わせ、ライムカラーのドローコードをアクセントにしたコートスタイルと、1000ピース以上の古着物をパッチワークして“連帯”を表現したドレスなどを披露。背には富士山のモチーフや羽子板を使ったディテールを載せ、「不二(二つとない)なファッション」(高谷健太クリエイティブディレクター)が人に与えるエネルギーを込めた。全て手縫いのクリエイションが持ち味の「アンチ(ANTI)」は、「あらゆる体制に向かう戦闘服」(山崎良太デザイナー)のようなウエアを用意した。一辺5センチ程度のチェックの生地を縫い付け、その上にカラフルなフリンジやワッペン、ボタン、銃弾のようなコルクのディテールなどを無数にあしらった。デザイナーの小口大輔と瀬戸川裕太をはじめとしたデザインチーム「ヘム(HEMU)」は、工場で使われなくなった生地を集め、身頃を複数重ねたスカートやセットアップに仕立てた。本来は裏地として用いる生地を表地として採用し、「富士吉田の職人が“見えないところにかける思い”を伝えた」。
そのほか、クリエイティブディレクターの山口壮大が率いる「こりしょう(KORI-SHOW)プロジェクト」や、アーティスト兼デザイナーの串野真也らが参加。学生は、文化服装学院や名古屋ファッション専門学校、エスモード ジャポン、大阪文化服装学院のほか、海外からロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)と中華女子学院芸術学院卒業生が作品を披露した。
“日本元気プロジェクト”は、ファッションを軸としたパフォーマンスショーで日本を元気付けるために故・山本が2015年に始動した。毎年開催しており、昨年は“どんな未来も着こなしてやる‼︎”をテーマに、女優の夏木マリや歌舞伎役者の市川右團次らがアーカイブを着こなす映像をオンラインで配信した。