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エトロ、新CEOを任命 ドルチェ&ガッバーナの経営陣から

 エトロ(ETRO)は9月9日、新たな最高経営責任者(CEO)にファブリッツォ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)前ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)最高執行責任者(COO)を任命した。年内にはエトロに加わり、正式にCEOに就任する予定。2015年からエトロを率いてきたフランチェスコ・フレスキ(Francesco Freschi)=ジェネラル・マネージャーの後任という形になる。

 イタリア出身のカルディナリ新CEOは、ディーゼル(DIESEL)やリーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS & CO.)で経験を積んだ後、ドルチェ&ガッバーナでマーケティング・ディレクターなどの要職を務めた。12年には、当時コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)の傘下だったランセル(LANCEL)のCEOに就任。13年には、同じくリシュモンが擁するダンヒル(DUNHILL)のCEOに就任した。その後、17年にドルチェ&ガッバーナに戻り、COOを務めている。

 エトロは、1968年にジェローラモ・エトロ(Gerolamo Etro)がテキスタイル会社として創業。80年代にはウエアやライフスタイル分野にも手を広げ、香水やスーツケースも手掛けるようになった。長らく一族経営の企業として知られ、身売りはしないと公言していたが、2021年7月にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社、Lキャタルトン(L CATTERTON)に株式の60%を5億ユーロ(約645億円)で売却した。今回の人事に伴い、エトロ創業者は会長に就任する。

 カルディナリ新CEOは、「アイコニックなファッションブランド『エトロ』の節目というエキサイティングな時期に、同社に加わることができて大変うれしく思っている。『エトロ』ならではのスタイルや高いクラフツマンシップ、その豊かなヘリテージに以前から憧れを抱いてきた。エトロ一族や経営陣、そしてLキャタルトンと協力して顧客層や商品カテゴリーを拡充し、事業をさらに成長させていきたい」と語った。

 「エトロ」は世界の約60カ国におよそ140の直営店を抱えているほか、自社ECを展開。18年の売上高は2億8500万ユーロ(約367億円)で、情報筋によると5000万ユーロ(約64億円)程度の負債があるという。

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