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「無印良品」が東武動物公園にスーパー隣接店舗 新成長戦略の柱

 良品計画は15日、「無印良品」の東武動物公園駅前店(埼玉県宮代町)を16日の開店に先駆けて関係者に公開した。今後の成長戦略の柱にするスーパーマーケット隣接店舗で、並び合う東武ストアと提携する。物販だけでなく、地域活性化に向けたさまざまな取り組みを行う。

 東武鉄道が東武伊勢崎線・東武動物公園駅の西口に建設した商業施設に入る。平屋の建物で売り場面積は1989平方メートル。衣食住の商品を一通りそろえ、中でも冷食やレトルトカレーなどの食品はフルラインナップで展開する。隣接する東武ストアと店内はつながっており、買い回ることができる。東武ストアに合わせて営業時間は朝9時から夜9時までと既存店よりも長い。

 「無印良品」は近年、チェーンストアの枠組みを超えた地域貢献型の小売業を掲げている。出店が決まった3年前から東武鉄道グループ、商圏の宮代町、杉戸町の自治体と共同でフィールドワークに着手し、住民の声や地域の課題を吸い上げてきた。店舗は消費のニーズを満たすだけでなく、農業や地場産業などの地域経済をサポートする場と位置付ける。

 店内には初の試みとして「みんなの台所」と名付けたキッチンと飲食スペースを設けた。地元の農家や飲食業に携わる人たちに貸し出すことで、起業や販促活動をサポートする。開店に合わせて地元の総菜店「あじまんま」と無農薬野菜を栽培する「蛭田農園」が出店する。

 またレンタルスペース「オープンMUJI」では地元の食や工芸品のワークショップを開いたり、地域情報の発信拠点「まちの案内所」では東武動物公園の飼育員が描いた動物のイラストによる商品を紹介したりする。

 良品計画は、店舗前に作られた約1200平方メートルの芝生広場「みんなの広場」の活用事業を東武鉄道から受託した。憩いの場として開放するほか、毎日のラジオ体操や定期的なマルシェなどの催しを同店が地域の住民とともに行う。

「無印良品」は19年4月の野々市店(石川県)を手始めに、スーパーマーケット隣接店舗の出店に着手。7月に発表した中期経営計画では出店拡大の柱に据えた。これまで「無印良品」は都心や大型ショッピンセンターへの出店が大半だったが、消費者の生活圏に近い郊外のスーパーマーケットやホームセンターの隣への出店を重点的に進め、顧客の来店頻度を高める。東武動物公園駅前店は7店目のスーパーマーケット隣接店舗となる。

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